評価:★★★★☆ 4.4
殺人遺伝子-17番目の染色体に存在するその遺伝子は、殺人、放火、強姦、強盗といった凶悪犯罪を引き起こす。
この遺伝子の存在が発見されると、国は治安を守るため、2042年に「殺人遺伝子撲滅法」を制定し、潜在的犯罪者である殺人遺伝子保有者を捕らえ、合法的に殺害することとした。殺人遺伝子撲滅法の制定から14年後、司法修習生の佐伯楡が生まれて初めてナンパした少女-安原柊は、楡にある告白をする。
「私、殺人遺伝子を持ってるの」楡が柊を守るために思いついた手段は、国に対して仕掛ける一世一代のテロ行為だった。
どんでん返しの連続で描かれるSF恋愛ミステリー。2017年5月5日追記:皆様のご支援のおかげで、本作はジャンル別(推理)の年間ランキングで5位に輝いております。この場を借りて感謝申し上げます。
話数:全55話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
なろう系に置ける推理小説のジャンルが閑古鳥が鳴いているのは私も思っていたため、あまり読まずに来ました。しかし今回この物語を読んでからこの先なろうに置いて推理小説のジャンルが伸びるのではないかと思っています。最初に殺人遺伝子が出てきた時それに対する話しなのかと思いきや人と人とのつながりやまた社会の問題にも触れていて感銘を受けました。主人公が最初にサイバーテロを起こすのがラストなのかと思いきやまたその後に大どんでん返しが何回もあり、どんどん物語に溺れました。拙い文章ですいませんが読んで作者様の励みになればと思います。これからも頑張って執筆活動をしてください。
犯罪者の多くが持っているとされる遺伝子、通称『殺人遺伝子』の存在が確認され、それを持つ者は死刑となる法律が執行された世界。そんな世界で司法修習生として日々を過ごす主人公、佐伯楡は駅のホームでとある少女と出会う。「私、殺人遺伝子を持ってるの」法律とは必ずしも正しいものなのか?危険な遺伝子を持つというだけで人を殺してもよいのか?少女と出会ったことにより、主人公は今まで目を背けていた疑問を直視し、葛藤することとなる。そして葛藤の末、ある決断をする。更なる苦難が待ち受けるとも知らずに。あなたが守るのは法?それとも大切な人?近未来的な世界観だけでなく、ミステリー的な要素も盛り込まれたSF恋愛ミステリー作品。衝撃の結末を見逃すな!!!!
その遺伝子を持っているだけで殺人鬼!?合法的に殺処分される運命の少女と邂逅した主人公の選択は!?悶絶必至! ハートを直撃する恋愛ミステリィ。ヒロインを始めとして登場人物達は揃って一途で魅力的。その一途さが肌へと伝わってくるだけに、ただ涙が止まりません。そう、その筆力はハートを鷲掴むかのように締め上げます。もちろん本作の魅力は恋愛だけに留まりません。豊富な知識に裏打ちされた本格ミステリィは、切ない恋愛模様をよそに着々と容赦なく進行し――ここぞとばかりに牙を剥く!息を潜めるサスペンス。涙の決断。覆る思惑。霞む真実。恋愛。知略。急転。怒涛。そしてまさかの結末――それは、あなたのその眼で確かめて下さい。
異世界転生・転移、悪役令嬢、内政チート、なろうでは大きくこの三つがランキング上位を占めています!しかし、面白いのはそれだけでは無いです!この『殺人遺伝子』には推理、恋愛SFの要素が程よく描かれており、読み進めるたびにより深く魅了されてしまう、そんな作品です。推理小説としては非常に読みやすい作品で、あまり本を読まない方も十分に楽しめる作品になっています。なろうサイトでは、なかなか人気が出ない《推理》ですが、一度手に取ると、ハマってしまうこと間違いなしのおすすめの作品なので、ぜひ読んでみてください!
正しくタイトル通りになるが、ミステリーという単語だけで食指が動かない方に読んでもらいたい作品だ。ミステリーというと、謎なのか何なのかよく分からないものがバラバラと撒かれて、よく理解できない内に、いつの間にか回収されて頭に疑問符が上がることもしばしばある。この作品にはそれがない。読みはじめは少し凝った時代設定なため、読む手を止めたくなるかもしれない。が、それも要所々々でフォローがあるので、小難しいなぁ……と思いながらでもいつの間にか内容を理解できる。登場するキャラクターも厳選されており、誰が誰だか分からない、ということもない。巧みなキャラ作りのお陰で自然と人物、情景が容易に想像できる所も、読んでいて苦にならないところだ。最初の走り出しに比べると、中盤に展開が弛くなる所がある。だが、これは解説編に向けて力を溜めていると思ってほしい。読む手が止まらないこと請け合いだ。
殺人という言葉は、誰もが嫌な気持ちになります。その殺人という一種の衝動を、遺伝子として持ってしまう。そんな人間が現れたら、どうなるのか。そしてその遺伝子を持ってしまったら……。殺人とは、人の命をたつ事。それは産まれてくる人の人生をも、その手で終わらせてしまうという事です。そんな遺伝子を持ちながら、どう生きていくのか。周囲の者たちは、どうなるのか。人が生きていく上で【死ぬ】【殺す】というのが、どれだけ重要なのか。それを考えさせてくれる作品でした。
まさにどんでん返しの連続。解決したと思ったら一転して続く、読者に向かって仕掛けられた罠。幾度も予想を裏切られ、やっと迎えた結末では……この作品を説明するのであれば、近未来を舞台に据えた恋愛ストーリーであり、将来起こりうるのではないかというリアリティを伴ったサスペンスであり、そして「柊」というキャラクターを軸に複雑に絡んだヒューマンドラマ・ミステリー、というべきでしょうか。上記のどれを取り出しても十分に魅力的なストーリーなのですが、それらを絡み合わせた結果、更に魅力的な物語に昇華されています。少なくとも、普段この手のジャンルを読まない私を一気に最後まで読ませるくらいには。それぞれの想いが、葛藤が、苦しみがしっかりと描かれ、だからこそ読者を惹きつける恋愛ミステリー。読みやすい文体であり、食わず嫌いは何処かに投げ捨てて、ぜひ読んでみては如何でしょうか?
凶悪犯罪を引き起こす遺伝子をメインに据えた物語。 とはいえ作品を構成する要素は多岐に渡る。 架空の近未来を描くSFだったり、ボーイ・ミーツ・ガールな恋愛だったり、問題投げかける社会派だったり、テロを仕掛けるサスペンスだったり。 ともすれば混乱し、収集付かなくなる複雑なそれらを作者は無駄の無い文章で簡潔に整理し、鮮やかに描き出す。 またヒロインを始めとした、タイプの違う個性を持つキャラを生き生きと、魅力的に描き上げる筆致は見事で「その世界で生きている」感を醸し出し読み手の感情移入を誘う。 そしてミステリならではの仕掛けも秀逸。 至るところに巧妙に仕掛けられた罠。 密やかに隠された無色透明な毒。 その罠のなぜか心地よい痛み。 その毒のどこか甘美な味。 解き明かされる謎は読了後の感嘆とともに深く刻み込まれるはず。 ーそう、読んだ貴方の遺伝子レベルまで深くー
率直に言います。 このレビューを読んでいるあなた。私はあなたにこの作品を読んでほしいです。 このサイトでは珍しい推理小説ですが、質は抜群です。洗練された文章は論理的で無駄がなく、推理小説初心者にも読みやすい。作者様の豊富な知識から繰り出されるトリックには思わず息を飲みます。 しかし、見所はそれだけではありません。 物語に花を添える女の子たちや、主人公の葛藤や苦悩、激情。読み進めるうちに心を揺さぶられるような何かがそこにはあります。 そう、ある種のヒューマンドラマとしての魅力も兼ね備えているのです。 作者様の熱意と推理小説の妙味がギュッと詰め込まれた『殺人遺伝子』。 もう一度言います。 私はあなたにこの作品を読んでほしいです。
しっかりとした作者様の知識に基づかれた本格的なミステリーですね。ですが、ミステリーであっても重くなり過ぎたり、暗くなりすぎたりしていないのは物語の根底に恋愛があるからでしょう。だからこそ、本格的なミステリーでありながら読みやすく感じます。また、書かれている作者様の知識が非常に豊富な為、書かれている文章に大変説得力がある様に思います。これだけの重厚で壮大且つ読みやすい作品はあまりないので、是非、読んでいただきたいです。