大戦が、新たな技術を生み出した。
それは、兵器として、失敗作だった。決して使われることはなかった。しかし、不慮の事故によって、世に放たれ、人々へ蔓延した。
感染したものは、凶暴な獣に作り変えられてしまった。
人は、それを呪われし男“カーズマン”と呼んだ。
カーズマンは、世界を覆った。人類同士の争いは、次第にカーズマンとの闘争へと移行していった。
その数年後、流星の群れが、地上へ降りそそいだ。カーズマンに続き、人類にとって示し合わされたような凶事の連続だったが、これによる被害は、まるでなかった。流星群は、いずれも円柱の形をした巨大物体で、地上へ突き立つのみだった。
人類が、この出来事の意味を模索できるようになるまで、数十年の時間を要した。その間、カーズマンとの戦いが、終わることはなかった。
時を経て、円柱の巨大物体の解析が進んだ。巨大物体には、人知を超えた知識が積載されているようで、その中には、カーズマンに対抗する手段なども含まれていた。
人類は、そこから得た情報を元にして、現状を切り開く武器を作った。
“パージロッド”である。ロッドが放つ光は、カーズマンを焼き殺す。
しかし、この武器には、一つの欠陥があった。娘の鮮血を糧としなければ、効力を得られない。
各国は、少女たちを戦闘員として養成し、クリアラーと呼んで、パージロッドを託した。
やがて、円柱の巨大物体そのものにも、パージロッドと同じ、カーズマンを滅ぼす機能があることを解明。巨大物体を“シャフト”と称して、そこを囲うように要塞を建設した。
カーズマンの発生より、百年。
列島の中央都市へ、カーズマンの大群が進攻するという未曾有の危機が起こる。
その渦中、二人のクリアラーが、それぞれの戦いを繰り広げていた。
新米クリアラーの【真剣子】は、おびただしい数の敵を前にしても恐れなかった。持ち前の意地の強さが、仲間の窮地を救う。彼女は、他のクリアラーとは違い、一風変わった存在で、自分の力を持て余していた。
もう一人のクリアラー【カラクラ】は、“シャフト”を動かせる唯一の人として都市の人々に祭り上げられていた。
バーサスクリアラー
完結日:2017年4月6日
作者:FT
評価:★★★☆☆ 3.3
話数:全24話
ジャンル:エピック・ファンタジー 仕事もの
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象