評価:★★★★☆ 4.3
『死なない宿屋』
冒険者垂涎のそんな都市伝説をもつ宿屋があった。
少女ロレッタはある目的のため、駄目元でその宿屋にたどり着く。
そこで知った『死なない宿屋』の秘密とは。「セーブポイントです」
そこの宿屋は、異世界から来たという、『セーブポイント設置能力』をもったカンスト冒険者の経営する店だった。
冒険者を引退して宿屋を経営、しかも冒険初心者に修行までつけているらしい。強くならなければならないロレッタは宿屋主人アレクに修行をつけてもらうことになるのだが……
死んだってロードすれば平気! な引退冒険者の新人育成プラスαな宿屋ライフストーリー。各章あらすじ&キャラ表 http://ncode.syosetu.com/n3788de/
話数:全249話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
いや、素晴らしい作品です。個人的にはなろう小説ベスト3に入る作品だと思っています。とにかく、会話文が面白い。スマホで小説読みながら噴出してしまったのは、この作品以外にはありません。ストーリーもあまり風呂敷を広げすぎず、グダグダせずにストレスフリー。とにかく、いろいろな人に読んで欲しいと思える作品です。
作中世界でのキャラの生き方として『ゲーム感覚』を否定しておきながら『ご都合主義』満載な作品が多い中、この作品は一味違いますご都合主義な作品世界の特殊キャラに強引なまでのゲーム感覚修行をさせることで努力だけでは覆せないはずの不条理をハッピーエンドへと変えて行く痛快小説なのですライトノベルに必要な軽さを満たしつつ多少強引な部分すら納得の笑いにしてしまうテンプレなのに大人が読んでもストレスフリーオススメですよ
とにかく会話が面白い!大冒険はありません主人公はタイトル通りに真面目に宿屋さんを営んでいますその中で理解できるようで理解できないマスターの言い分に翻弄されていくお客さんたち理解できないと思っていたマスターの発言がマスターと修行する事で時折理解できてしまう気がしてきたりこなかったり噛み合わない会話を笑いながら読むのもよし噛み合わない会話に一緒に悩むのもよしテーマになるのは生と死なんて真面目で大きなもののはずなのに作者さんの独特の世界観と言葉遊びに翻弄される作品どこかブラックジョーク風の独特の笑いを一緒に楽しんでみませんか?
rpgのセーブ&ロードシステムの能力を持って、転生した主人公が宿屋の店主になって、新人冒険者の修行を手伝う話し。だが、当然異世界の人間にセーブやロードなんて最初は理解できない。その常識のさから生まれる主人公のでたらめっぷりが見ていて面白い。主人公は当たり前のように死んでも生き返れることを言っているが、凶器に満ちているよね。「だから、命の価値を下げるところから、まずは始めましょう」wwww
修行の名で可憐な少女達は殺され続けます!転落死、窒息死から始まって、異世界ダンジョンで殺され続ける少女達。狡猾な主人公の罠(?)に堕ちた美少女達は死ぬ事しか選べません。このお話は、純真無垢な美少女達が、死に怯える心情を、死した後の壊れた心をギャグにしたお話です。ある意味、章ごとに「ヒロインを殺して心を壊してハッピーエンド」というとんでもない構成で、小説で禁忌とされた地雷を踏み続けている気もしないではない。が、笑える。※このレビューは重要な小説内情報が欠落しています(テヘ)。
さあ、死のう。元気よく。死ぬ気になれば何でもできる。まして何度死んでもいいとなったら人間の可能性は無限大さ。はい、普通は一度死ねば終わりという、現実的世界の人間が、セーブ&ロード能力を持つ人間に生き返りを保証されたらどうなるか?「死ぬほどの」、ではなく「死を前提にした」訓練メニューを実行するはめになったとき、人はどうなるのだろうか。というのが最高に笑えるお話です(人によるとは思いますが)最初は正常だった訓練を受ける側もおかしくなっていきます。人の感覚が、常識が、異常が正常になっていく様が最高に楽しいお話です。(個人差はあります。楽しめない人は残念)RPGで「ああ、死んじゃった~」が、リアルな感覚だとどんな狂った話か、そして笑える話か知ることができるでしょう。さて、きょうは何回、死にましょうか。
なろうに溢れる異世界転生系の作品の中でもこちらの作品はオリジナリティがたっぷりある作品ですなぁ。宿を経営する主人公が「セーブ&ロード」というチート能力を駆使して異世界冒険者を鍛え上げるのですが……これがまたまた狂気の修行方法ですなぁ。斬新の設定だけではなくしっかりとしたストーリー展開や魅力的なキャラクターも見どころですなぁ。皆さま、三月の夜長にこちらの作品を読まれてみてはいかがでしょうか。
話の良い点は主人公が狂っている事。話の悪い点は主人公が狂っている事。大まかなあらすじは宿屋を営む男性がセーブ&ロード(もしくはリスポーン)の能力を使って冒険者を導くという筋なのだが。蘇りの能力を得たとしてそれから当たり前に自身の死亡とそれに伴う苦痛を前提として行動できるのはやはり狂気としか言いようが無い。しかもそれを後進に”善意で”提供するというほんの少し見方を変えるとホラーものとしても成立する物語。主人公がその力を使って登場人物の成長と問題の解決を行うというベーシックな構成だけに、より狂気が際立つ。それでいて主人公自体はある意味”普通”の人間なのだから。一度読んだ後に狂気に焦点を当てて読み返すとまた違った味わいが出て来るという作品。
宿の主人は、転生者。念願かなってできあがったこの宿では、冒険者初心者の方を徹底的にサポートし、「世間でいわれるところの」一流になるまで育て上げてみせます!しかし、その中身はこの世界に暮らすものからすれば「常識」とはとても思えない内容。だが、こなせば絶対に強くなっているという究極のソリューションでもあるのです。それは、主人が身をもって経験したこと、そのものだから。過去の約束を守りつつ、主人は日々を過ごしていきます。巻き込まれる当事者を、半ば置き去りにして。そう、当事者の持つ「常識」を壊さなければ、その先へは行けない。だから、主人は積極的に常識をぶち殺しにかかるのです。…え?常識をどうやってぶち殺すのかって?某アニメのような特殊能力?いいえ、ここは死なない宿。いや、失礼しました、少し、言葉の選び方が間違ってたようです。あ、背後にご主人が…
異世界に転生した主人公が「セーブ&ロード」というチート能力で活躍した後。引退して宿屋を経営するこれだけ聞くとよくあるテンプレ小説だが。この小説は実に上手く書かれている「死なない」事を利用して鍛えられる宿泊客の冒険者には、実際は悲惨なのに笑いを誘われ「死なない」事を前提に主人公から懇切丁寧に改心させられる悪党にはカタルシスを感じ「死なない」事を当然とし。朗らかに「死」を扱う主人公の狂気に恐怖と格好良さを覚えます文章も読みやすく。物語の流れが「お約束」も含めてとても綺麗死ぬ事による残酷な描写も配慮されおり、オススメです『大丈夫です。セーブしましたから』