評価:★★★★☆ 4.1
砂漠地帯には、『脊柱』と呼ばれる建造物が存在する。
そこには、人間を模して作られた『機械』たちが住むという。巡視中の警衛隊員ユウリは、砂漠地帯で遭難していたキリアを救う。
目覚めたキリアは「失った家族を探すために『脊柱』へ向かう」と言う。
しかし他の人間は言う、「脊柱には関わるな」と。自らの心に従い、ユウリとキリアは「脊柱」を目指す。
記憶と意思のチカラで。
話数:全33話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
一度は滅びかけた「人間」が再び甦りつつある世界、「機械」の領域に立つ「脊柱」という名の塔に挑む少年と少女の物語です。「精神」を持ち得ないがゆえに「精神」を持つ人間に執着し、「精神」を奪い取る「機械」達。「精神」を奪われた「人間」は、不可解なちからで肌を剥ぎ取られて死んでゆく。 そんな理不尽で恐ろしい敵でしかなかった「機械」ですが、謎が明かされてゆくにつれ、恐怖はその矛先を変え、容赦のない現実がじわじわと腹の底を冷やしてゆきます。 精神とは、意思とは何なのか。何が人間を人間たらしめるのか。 砂嵐の中にそびえ立つ、緩やかなS字を描いて天と地を繋ぐ塔、の映像がとにかく印象的です。 センスオブワンダー、たっぷりと堪能させていただきました!
王たちの機械という題名に、閃きを感じ物語を捲ったのだが、最終章を読み終え、物語世界の全容を知った後に題名が小説の鍵になっていたことに気付いた。この物語は初めて読んだ時と再度読んだ時では物語の世界に感じる感覚が異なっていく。心の奥、記憶の片隅に情景が残されている間に再読するなら心に象る想いは、問いかける機会となるだろう。何を問いかけられるのか、それは何を応えるかによって変わるだろう。なぜ「王たちの機械」なのか、答えは感じた想いが心に描く。静かな水のような文章が、激しい火のような熱意で紡がれ語られた物語。