評価:★★★★☆ 4.4
「拒否権は……?」
「あ? ないに決まってんだろ、そんなもん」
路上で倒れた苦学生――羽柴茉莉花(はしばまりか)を自宅に連れ帰り介抱したのは、年齢不詳のおじさん――速水朔哉(はやみさくや)だった。偶然か必然か……凸凹な二人の、なんとも不思議な関係が幕を開けた。
※加筆修正しました(2016年4月3日追記)
※プロローグとエピローグを公開しました(2017年4月16日追記)
※本作品は、「カクヨム」にも掲載しています。
話数:全17話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
私達はたくさんの感動の中で息をしている。それは感性を研ぎ澄ませていないと見えないものも多い。例えば春の窓辺に集まる日溜りだったり、スニーカーに素足を通して歩く歩幅だったり、街が夕暮れの影に包まれる瞬間に見る灯りだったり、冬に吐く息の白さだったり、輪郭を縁取って去ってゆく風を見送った後の静寂だったり、大切な人の何気ない仕草だったり。そういう掛け替えの無いものを意識したときに初めて見えてくる風景というものがある。この作品はそういうものを気づかせてくれる。人の日常って、じつはこんなにも暖かい。大人の小説です。