評価:★★★★☆ 4.3
交野 直哉(かたの なおや)の恋人、咲希(さき)の父親が不慮の事故死をとげた。急きょ、彼女の故郷である鹿児島のトカラ列島のひとつ、『悉平島(しっぺいとう)』に二人してかけつけることになった。
じつは悉平島での葬送儀礼は、特殊な自然葬がおこなわれているのだという。その方法とは悉平島から沖合三キロのところに浮かぶ無人島『猿噛み島(さるがみじま)』に遺体を運び、そこで野ざらしにし、驚くべきことに島に棲息するニホンザルの群れに食べさせるという野蛮なやり方なのだ。ちょうどチベットの鳥葬の猿版といったところだ。
島で咲希の父親の遺体を食べさせ、ことの成り行きを見守る交野。あまりの凄惨な現場に言葉を失う。
やがて猿噛み島にはニホンザル以外のモノが住んでいることに気がつく。
日をあらため再度、島に上陸し、猿葬を取り仕切る職人、平泉(ひらいずみ)に真相を聞き出すため迫った。いったい島にどんな秘密を隠しているのかと――。
猿噛み島は恐るべきタブーを隠した場所だったのだ。
話数:全37話
ジャンル:アドベンチャー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
隔離された環境でおこなわれる戦慄の儀式。 遺体の解体。それをむさぼる猿ども。 正視に耐えない光景だが、同時に疑問がわく。 いったい誰が、なんのために始めたのか。そして継承されていく理由はなんなのか。 時代遅れの風習か。なにか秘密が隠されているのか。 海に囲まれ、逃げ場のない絶海の孤島で、タブーに触れんとする主人公・交野の運命はいかに。