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 ○○山の巨大熊、通称ビッグベアーは、山の麓にある杉沢村を統治する不知火一家を襲撃していた。ビッグベアーは毎月六日になると、不知火一族を襲うのであった。
 事の起こりは三〇年前。不知火一族の元当主、暴君であった不知火彦治が、とある小熊を蹂躙したことが原因にある。小熊を無残にも殺された母親熊の怨念が、ビッグベアーという巨熊を作り出す要因になったのだ。
 地獄からの死者の如く、ビッグベアーは人間である不知火家の使用人になる不知火久雄に乗り移り、内面から不知火家を消滅しようと試みた。
 久雄という人間は、三〇年前に○○山に捨てられた孤児であり、実は、彦治の血を引く人間でもあった。それを知ってか知らぬか、彦治は久雄を拾い、育てることになった。久雄が不知火家を消滅させる、ビッグベアーであることも知らずに……。
 久雄は十五歳の時、既に不知火家の一族の半数を殺していた。そんな血も涙もない久雄であったが、不知火家の少女、優華に恋をすることになる。実は、優華はビッグベアーに殺された一族の恨みを晴らそうと、秘密裏に調査を行い、久雄がビッグベアーであること見抜いていた。そして、自分に向けられた恋心を利用して、ビッグベアーを撃退しようと考えていたのである。
 その事を知らぬ久雄は優華の策略に落ち、首に一生消えない傷を負い、さらに想い人である優華を殺害してしまう。自分に課せられた宿命に反抗することが出来なかったのだ。
 更に数年が経つと、知屋城という記者がビッグベアーの取材にやってきて、村の狩猟会に所属する赤道銀二とコンビを組み、調査に乗り出した。銀二はその昔、許婚である不知火小夜子をビッグベアーに殺されており、恨みを持っていた人物である。
 二人は久雄がビッグベアーであることを見抜くが、知屋城だけには、別の目的があった。実は彼もまた、久雄と同じように、彦治の気まぐれによって生まれた孤児であったのである。それ故に、ビッグベアーを利用して、自分を捨てた不知火家に復讐を果たそうとした。
 無事、責務を果たそうとした知屋城であったが、暴走するビッグベアーに殺されそうになる。寸前のところで、銀二が命を張って知屋城を救うことに成功し、さらにビッグベアーを倒すことになった。ビッグベアー伝説は終結し、生き残った知屋城は、伝説を胸に生きていくことを決める。


話数:全3話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素
注意:全年齢対象