眠り姫と幼馴染みの懊悩

　三崎悠真には隣に住む幼馴染みの少女がいる。
　名前は綾崎詩織。
　アルビノのため色素が非常に薄い髪。少し目尻が垂れ下がった瞳はクリっとして大きく、華やぐ笑顔がとても印象的な少女。明朗快活で気さくな性格からクラスでは常に女子の中心にいて、また成績優秀なため教師からの評判も良く、さらには容姿端麗で学年の枠を越えて男子の視線をかっさらってしまうこともしばしば。
　――しかしそんな彼女にはとある問題があった。
「あ、ちょ、おま、その格好はダメだって！　ちゃんとシャツのボタン閉めてから入ってこい！」
「えー、良いじゃん別にー。悠真になら見られても恥ずかしくないし」
「おまえが良くても俺が良くないんだよ！」
「ちぇっ、朝からサービスしてあげたのに悠真は生真面目だなぁ」
「サービスとかいらないから早くちゃんと服を着ろ！」
「分かったから押さないでよー」
　・・・・・・こんな風に詩織は長年幼馴染みとして接してきたため悠真を異性として見ていない節がある。人の気も知らないで毎日こんな調子なのだから悠真はたまったもんじゃない。
　しかも高校進学と同時に両親が海外出張に行ってしまったために悠真は詩織の家に居候することに！
　さらには『眠り姫シンドローム』という奇病を患う詩織は唐突に無防備な寝姿を晒し、しかも外からの刺激では決して目覚めないというのだ！　そんな詩織と一緒に過ごす日々は毎日がハプニング続き！
　果たして悠真の毎日に平穏が訪れる日はやってくるのだろうか！？