在る時代、西の海に囲まれた、或る地方。
その地方の国々を巡り、美しい演奏、歌、踊りを人々の前で披露する、小さな旅芸人一座が居た。ヴァイオリニストであり、冷静沈着で頼れる座長、ノノアール。
アコーディオニストであり、まるで母親のように座長や一座を支えるミーオ。
ヴォーカリストであり、美しい歌声と、卓越した歌唱力を持つ歌姫、スピカ。
ダンサーであり、抜群の運動神経と中性的な美貌を併せ持つ男装の麗人、シズーレ。
フルーティストであり、一座の最年少にして才色兼備な少女、マーコ。年頃の少女5人だけで構成された、風変わりな一座。
見せる催しも決して派手では無いが、少女達の美しさと磨かれた芸技で、各地で多くの観客の心を掴み、楽しませている。
だが、その中で一体誰が、この少女達の抱えているものを想像出来るだろうか。
華やかな芸と麗しい笑顔に隠された、それぞれの事情を。出会いと別れを繰り返し、時には危険に巻き込まれながらも、5人は旅を続けている。
様々な出来事を通し、自分の心や運命と向き合い、潰れてしまいそうだと感じる時もあるだろう。
それでも、共に旅する仲間と助け合い、支え合いながら、彼女達は旅を通して成長していく。
そんな彼女達は、自分らの事をこう名乗る。
―――――旅芸人一座“マドレーヌ”と。************************************************************
*基本的には2014年~2015年頃までに執筆し、Pixivにて公開していた作品のリメイク版になります。(旧版は削除済みです)
*2019年6月9日追記
これまではこちらを『Episode.1 花の村』のみの小説公開ページとしてきましたが、『花の村』を作品タイトルから除外し、一つの章としてのタイトルに移行いたしました。
今後公開予定の続編も、『花の村』から続く続章としてこちらのページで公開することを想定しています。
現在は完結済設定にしておりますが、その際は連載中に切り替える予定ですので、ご了承ください。
尚、ただいま続編である『Episode.2 星の記憶』を鋭意執筆中です。鈍足ではありますが、必ず完成させて公開するつもりですので、お付き合い頂ければ幸いです。
- 未登録
- 未登録