夜汽車にて 完結日:2017年10月18日 作者:なななん 評価:★★★★☆ 3.8夜汽車の中、ある男の話 ※Generalmajor der NVAさま『鉄道記念日奉祝企画』参加作品 小説家になろう以外への無断転載は厳に禁じます。 Reproduction is prohibited. 禁止私自转载、加工 禁止私自轉載、加工 著者:なななん 話数:全5話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 夜汽車 日常 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
夜汽車に運ばれ行く乗客達。彼らは皆、それぞれの想いを胸にこの車両に乗り、行くべき場所を目指す。それは前向きな時もあれば、そうでない時もある。いいことも、悪いことも。喜びも涙も、汽車は運んで行く。 ――不思議な読後感を齎す作品でした。時折挟まれる汽笛の音は、ここが汽車の中であることを読者に思い出させるかのよう。本作ならではの摩訶不思議な世界観を、是非あなたも味わってみてください。
このお話は話数が少ないながらも確かな読み応えを読者に与えてくれる。個人的には今までこういった独特な雰囲気を放つ作品は避けていたのだが、この作品を読み私の浅慮が恥ずかしくなった。この夜汽車の汽笛は、聞こえるはずの無いときに聞こえ、その中で現れる少年の問いは私達をこの不思議な世界へと夢中にさせる。胸のすくような活劇ではない、ホッコリとするような恋愛作品ではない。それでも、私達に確かな読了感と心に灯る何かを与えてくれる。よろしければ貴方もご自身の目で確かめていただけないだろうか?
不思議な読後感をもたらす作品である。窓を開けると夜汽車の汽笛が聞こえそうだ。主人公の前に現れる不思議な少年。彼は人生の節目に現れているのだろうか。その正体を考えているのも、この作品の楽しみ方の一つです。思い返せば鉄道は多くの人を運び、これからも多くの人を運んでいくのだ。夜汽車の汽笛の声が響く。その音は悲しい音か寂しげな音か。それとも、ただ乾いた音なのだろうか。人によって、どのように感じるかは違うだろう。それでも夜汽車は今日もどこかを走っているに違いあるまい。人の想いを乗せて。今日も汽笛の音を響かせる。
夜汽車にて満天の星眺めてや微かに届く汽笛の響き…この作品はこの句で始まり、この句で終わる。この作品は、あなたを不可思議な世界と現実の世界を行き来させる。聴こえるべくもない汽笛が遠くに響けば、あなたは不思議な世界に誘われる。フ、ファオゥ座席に座り、あなたが相対するは、だれであろう。掛けられる問いは、何であろう。沸き上がる想いは、如何なるものか。あなたの答えは果たして。フォウゥ汽笛の音が現実に戻す。あなたの…あなたのおもむくままに。向かう先は何処であろう。どんな想いを連れて行くのであろうか。答えはただあなたの中に。あなただけのものなのだ。夜汽車にて満天の星眺めてや微かに届く汽笛の響き
夜汽車が運ぶのは人だけではない。多くの思いを運ぶのだ。たった一夜限りの列車に、たくさんのドラマが詰まっている。夢や希望。出会いと別れ。悲しみ、失意。車内で会う人は皆それぞれのものを持っている。この作品は?どんな人が乗っているのだろう?何を思って乗ったのだろう?あなたもこの「夜汽車」に乗り込んでみてほしい。