評価:★★★★☆ 4.3
庶長子・織田信正。織田家の跡継ぎ織田信忠よりも一つ年上の男子である彼は長男であって嫡子ではないという立場にあった。
うつけと呼ばれた父、狐と呼ばれた母の子に生まれ、なんだかんだで子煩悩な両親や賑やかな家臣・弟妹・友人に囲まれながら、自身すら分かっていない歴史改編物語が始まる。書籍化のお知らせ
2019/4/15(月)1・2巻同時発売
2019/12/15(木)3巻発売
2020/5/15(金)4巻発売 書き下ろし小早川隆景の章 以下続刊宙(おおぞら)出版様の新レーベル『ヒストリアノベルズ』の第一弾として
出版させていただくこととなりました。
予定では以下続刊、可能な限り書き下ろし多めで出版してゆこうと考えております。
話数:全146話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
読み終わった感想から言えば、最高の一言に尽きます。転生者が物語上に出ることはなく、主人公が最強無敵な存在ではないので、そういう意味では期待を裏切られますが。信長を主体に置いた架空戦史はごまんとありますが、その周囲の人間、しかも実在したか定かではない息子を主人公に据えた所がとても新鮮でした。大河ファンの私では、所々難しい言葉づかいもありましたが、決してお堅い作品ではなく、歴史エンターテイメントとして最初から最後まで夢中になれる名作です。一人一人のキャラクターがとても魅力的で、名前しか知らなかったような戦国武将も、誰もが知っているあの人物も、今まで以上に好きになりました。個人的に好きな場面は、主人公と小早川隆景の会談シーンです。主人公の生き様を理解し、共感する隆景に主人公が語りかけるところは、何故か涙すら出るほど熱いものを感じました。
織田信正。一部の資料にしか名を残さない、実在しなかったのではないかといわれている信長の庶長子。彼を主人公に、巧みに歴史的な様々な事件や人物と、未来からの転生というSFを組み合わせたエンタメとして一級の作品。設定やギャグだけでなくヒューマンドラマとしてもド直球の重量感。この時代に詳しくなくても、元々その人物を知らなかったとしても、一人ひとりの人生を思いながら読むだけでも楽しく面白い。出会えてよかったと思える作品。さらにすごいところは、歴史の「IF」の部分にも裏づけがしっかりしているところ。歴史の本を片手に読むと新しい発見が何度もあって、何度も新しい楽しみ方ができる。歴史ものがそんなに得意ではない方も、最初のほうだけでも是非是非。苦手意識があっても、マイナー人物をwikiで軽く調べつつ読むとすごく楽しめるので是非。祝書籍化!
織田信正。魔王と呼ばれた父、狐と呼ばれた母から生まれた彼は家族を愛する心優しい男だった。戦国の世で父織田信長の覇業を支え、戦場を駆ける彼の明日はどうなる!?信正(作中では主に帯刀と呼ばれる)はよく物語であるような超人、完璧人間ではありません。嫌いなやつに強烈な嫌味を言ったり、男性の胸部に下着を着けさせようとする母にドン引きしたりもします。読者にとって、共感できる主人公だと思います。羽柴秀吉や竹中半兵衛、公方足利義昭、本願寺教如などの歴史上の偉人たちも魅力的に描かれていて、物語に引き込まれます。ほっこりする話や思わず唸るような展開もあり、歴史ものが好きな人はもちろん、そうでない人にも楽しめるような良作です。是非、読んでみてください!
帯刀と言う架空の人物が、信長の息子として大活躍!端的に略すとこうなるのですが、兎に角人物描写が巧みで主人公は勿論登場人物全てが魅力的です。 謎の多い母君も、最初は何故?と気になっていたのが何時の間にか次々起こる騒動を楽しみに。 歴史は史実通りでなかったのでかえって安心しましたし、あれがああなるのかと作者の創造力に感服です。 大抵無能扱いになる人物に人間的魅力と愛着を纏わせてその登場を楽しませ退場を惜しいと思わせたり、武張った側面が強調されがちな解釈を人間臭い暖かな欠点を強調して人物に奥行きを持たせてくれたのは読む喜びを次々と与えて貰ったようなものです。一番楽しいシーンだったのは、辻で庶民と説法対決した所ですが、籠城の逼迫した空気、友を初めて亡くした心情、本能寺、母君にブラを迫られる、妻との語らい、随所に有るユーモア、宗教の解釈、そしてラストの緊迫感、最高でした。
主人公は信長の庶長子で信忠や信雄、信孝の兄にあたる人物です。敵味方問わずすべての登場人物が魅力的に描かれています。敵対した人物が作品から退場するときに、惜しい人物がまた一人去ってしまったと思うくらいです。展開もテンポがよく、中だるみなどもありません。「この後はきっとこうなるだろう」と予想しても、それがことごとく外されてしまいました。いい意味で予想を裏切ってくれる作品です。
長い間連載お疲れ様でした。非常に簡潔な文章で、読みやすい小説でした。個人的には、ロードス島戦記を彷彿させる書き方だったように思えました。戦闘シーンや何を何して何ができると言った描写が長い小説が流行りの中で、無駄な描写がない本作は清涼感に溢れています。内容は、戦国を舞台にした人間の悲哀や喜び、悲劇、喜劇を見れる作品です。人間の心模様が見れる作品です。多少漢字は難しいですが、一見の価値ありです。
あまりにも面白くて寝不足になってしまいました。魅力的な登場人物とストーリー展開で、続きが気になって一気に読めてしまうくらいに素敵な作品です。何よりも作者様の歴史知識に舌を巻きます。時代背景や人物の立ち位置等々が分かりやすく描写されていて読んでるだけで少し賢くなれた気がします。……って言うか、名前も聞いた事ないような武将のことまでなんでこんなに詳しいのでしょうか。主人公視点でありながら敵となる人物の内面まで細かく描かれていて、その人の立場や矜持といった物に共感できたりして泣けてきてしまう場面も多々あり、物語に引き込まれてしまいました。
この作品で一番印象に残ったフレーズは「イケメン至極」でした。なろう小説の様式美を無視する事なく、ボリューミーな地の文や物語を読ませる。その文章は見事だと思いますともすれば、取材不足の戦国チーレムラノベや、へヴィー過ぎる架空戦記になりがちな、「歴史/文芸」で、バランスの取れたエンターテイメントを提供しているこの作品は、間違いなく小説家になろう作品群における名作のひとつだと言えると思いますまだ読んでいない方は、是非読んでみるべきですあと、織田信雄をここまで魅力的に描けた作品には、初めて出会いました。彼が怒れる信長を踊りで鎮めたシーンは是非とも映像で見てみたいです
主人公は織田信長の架空の庶子織田信正(途中で名前は変わりますが)。現代知識チートが見え隠れするものの、転生については謎が残されたまま話は進んでいきます。歴史のifを現代知識で乗り越えていく爽快感と推理小説を読むような謎解き感、このまま天下統一かと思われるときに訪れる落とし穴。まぁこの後こうなるんだろうなぁという予想をいい意味で裏切られ続ける小説です。歴史好きも、初めて歴史ジャンルを読む人も引き込まれることうけあい!ご一読あれ!!
とにかく賞賛するしかない圧倒的な歴史小説です。読みやすく、毎日更新され、主人公が信長がその家族、家臣が魅せてくれる物語の数々。本当に大河ドラマになって欲しいと心から思います。主人公は信長の長男である帯刀という仮想の庶子。歴史の逸話を織り交ぜながら、或いは逸話をモチーフにして主人公の視点で物語は進みます。主人公は徹頭徹尾、信長の家族です。お兄ちゃんなんです。麒麟児が如き才覚を持ちますが、等身大の人間として英雄の道を歩んでいきます。なにせかっこいい。土台にしたのは大和宰相豊臣秀長かなぁと思ったり。主人公の母もいい味出してます。秀吉や市、光秀等もなんとも親しみを持てるキャラを演じてくれます。若干皆殺しの富野は言いすぎですが良く身近なキャラが死にます。戦国時代ですからそういうものかな。果たして乱世は終わり太平の世が来るのだろうか。帯刀とその子孫はどうなるのか。目が離せません。