ぼくらは死んだ 完結日:2017年11月11日 作者:水島素良 評価:★★★★★ 4.5交通事故にあった岩本は、自分が知らない町の湖の上に『浮かんで』いることに気づく。町には他にも四人のユーレイがいて、それぞれに事情を持っていた。 *十年以上前、初めて執筆した小説です。今読むと古臭いところや未熟な点がありますが、あえてそのまま掲載しています。 話数:全55話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 人生 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
物語の終盤で、主人公を含めたユーレイたちは、それぞれの選択を迫られます。かれらの「選択」は自覚的なものではない分、ある種「宿命」とも呼べるのかもしれません。しかし、その「選択」の方向性を決めたのは、他ならぬかれら自身の、「生きること」に対する考え方の違いでした。 主人公と、最後に”残された”ユーレイたちとを訣別させたのは、「生きること」に対する主人公の自覚の強さと、死者でもなく、生者でもない状態で、静止した時間の中に逃げ込まざるを得なかった、つまりは「生きること」から逃げ出さざるを得なかった、ユーレイたちの「弱さ」とにあります。しかしまた、読者は考えさせられることでしょう。というのもそのような「弱さ」とは、人が生きる限りにおいて、必ずや直面するはずの、人としての弱さなのですから。