評価:★★★★☆ 4.3
勇者が魔王に敗北した。そして判明したことは、魔王という存在が不死であること。
人類は絶望した――どうあがいても、勝ち目がないことに。魔王に対抗する手段がないことに。猛攻を仕掛けられた人類は徐々に支配域を減らしていき、ついに北の一国を残すのみとなった。
最北端の大地に立てこもる人類は、各国の英雄たちの力を借りて、なんとか絶滅を免れていた――。
これは、そんな英雄たちの戦いを描く物語である。
話数:全117話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
終焉の一歩手前まで追い詰められた人類。英雄達の集うその最後の場所で、彼らは女神の『祝福』を手に懸命に戦っていた。来たるべき終わりを前にして、それでも命の輝きを黄金色に発しながら彼ら彼女らはひた走るーー。様々な力で人々を導く英雄達、非力ながらも強い心で終末を生きぬく者達。この作品の魅力の1つは様々な登場人物が描く複雑な心模様ですが、なんといっても主人公達がその最もたるものだと思います。終焉に絶望しながらも幸せを受け入れられない、心に大きな迷いや葛藤を抱きながらそれでも終末に抗ってしまうーー。そんな、英雄でありながらも英雄になりきれない彼の生き様は沢山の方に見守って頂きたいです。1つ1つのバトルもこれまた熱く、高い更新頻度も魅力的です。まだまだ明かされていない謎も多く、これからの展開にも目の離せない一作です。
魔王に敗北し、ゆるやかに、もはや逃れようのない終末へ向かう人類。しかしその状況にあってもその終わりに抗う者たちがいた。終末を迎えた絶望感の漂う世界の中で生きる人間たちの苦悩、逃れ得ぬ絶望、それでも抱く希望。これは小さな世界でそれでも抗い続ける英雄たちの物語である。ありがちな説明過多の文章ではなく、説明すべき部分は説明しつつも隠すべき部分は隠されて進行される物語は、クドくなく読みやすい文章ながらも核心への疑問や期待を抱かせるタイプの早く続きを読みたくなってしまう一作です。じわじわと包まれるような絶望と、そこから見出される一縷の希望のバランスはなんとも表現し難い魅力があると言えるでしょう。続きが気になる読者としては、更新速度が早い点も魅力的です。終末モノのファンタジー、絶望の中でも抗うキャラクターが好きな方にオススメの一作です。