評価:★★★★☆ 3.9
――幼き日の鮮烈な記憶が少女の心に焼きつく。
十年前に起きてしまった「未曾有の火災事故」
多くの犠牲者を生みだしたその事故は幼かった少女達の人生を捻じ曲げていく。時は過ぎ、その事故の目撃者の一人でもある少女、水瀬夢姫(みなせ ゆうき)は鮮烈な記憶に心取り残されたまま、平凡な日々に飽き飽きし「非日常」に焦がれる日々を過ごしていた。
――そんなある日、疫病神と称される不審な少年と出会い……夢姫の日常は思い描くままに壊れていく。
リアルな日常を舞台に、心を描く非日常ローファンタジーです。
**追記**
R15指定について
残酷描写、性描写を入れる予定でしたが入れない事になりそうなので削りました。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
“””非凡””を願う少女・夢姫。””非凡””を嫌う少女・梗耶。””非凡””を祓う少年・和輝。そして彼等を取り巻く友人・仲間・恩人達との出会いと触れ合いが時を重ねてその心を様々な色合いへと変化していきます。人の心を蝕む””ま””と呼ばれる存在との邂逅、そしてそれを祓う者達の存在……””ま””とは一体何なのか……少女達は青春を謳歌しながらも””非凡””の世界に巻き込まれていく。戦い有り、青春有り、痴情有り……非日常ながらも個性あふれる人々が織り成すローファンタジー『ユメユメ』一度貴方の目に留めてみては如何でしょうか?君は、””白い巨塔””を前に生き残ることが出来るか。”
これはなんて事のない、現実世界を舞台とした、ありふれた学生達の物語だ。学校があり、社会があり、帰るべき家庭があり……そのどれもが読者となんら認識を違えることの無い、現実そのもの。……ただ、登場人物のアクの濃さと、闇に潜むものの存在を除いては、だが。軽いギャグも交えた登場人物達の生活には、少年漫画的な面白さが余す事無く突っ込まれていて、すらすらと読む事が出来ます。それでいて話を引っ張っていくだけの要素――プロローグの事件や、要所で起きる不穏な出来事――もしっかりしていて、飽きる事はありません。……しかし、読み終えても全ての謎が明かされなかったので、これはどうなのかと思っていたところ……どうやら第二部を構想しており、四月に発表するご様子。読んでみて気になった方は今の内に備えよう。ただ、備えよう。ことせにゃ。
こんなに短いタイトルの小説はなろうでは珍しいんじゃないかな?なのにインパクトにはしっかり残る作品。特にヒロインの夢姫の残酷さと女の子らしさ。疫病神の灯之崎君も、なんだか癖が強そうで気になります。なんとなく、らんまやクランプ作品を連想させる世界観。日常にある怪異の妖しさに、巻き込まれていく住人達。非日常へのあくなき欲求。あと、後半のエロに期待(笑)
当たり前の景色。いつもの通学路。変わらない公園。近所の神社。それが非日常に変わる時――。 主人公・水瀬夢姫。得意なことは周囲を振り回しながら走ること! そんな主人公と幼馴染が、学校で不思議な雰囲気を纏う少年と出会うことで物語は動き始めます。 人の近くで揺れる影のようなモノ、謎のアイテム。そして、妖しげなお店で皆を待つ麗しい白髪の男と白塗りおばけ。他にも超絶個性豊かな登場人物達がたくさんいます。 物語は十年前の火災から始まります。この事件が登場人物達に影響を与えているようなのですが……。 軽いタッチで描かれる文章の奥には混沌が見え隠れし、どことなく漂う和の雰囲気に引き込まれてしまいます。読み始めた時、アナタもこの非日常に巻き込まれていることでしょう。
個性的な登場人物が織り成す日常から、徐々にダークな面へシフトしていくギャップがとても面白い作品です。なんと言ってもキャラクターの個性が光るので、色んな方に読んでいただきたいです。きっと、誰か一人は気に入る子ができると思います!猪突猛進というか、天真爛漫というか、そして危なっかしいというか…あらゆる意味で目が離せない女主人公は、ふとした時に見せる女の子らしさがすごく愛らしい。非日常を求める彼女の周辺には、負けず劣らず超絶変な人(褒め言葉)が集っていきます。最初は学園コメディ的なノリなのですが、それにいい意味で騙されることでしょう。しかし、文章は軽めで読みやすいので、後味が悪いということはありません。一風変わった学園ローファンタジーが読みたい方、ぜひ読んでみてください!
魅力的な登場人物たちが織り成すローファンタジー。明るく照らされたその場所には影ができる。果たしてその影の深さは……。奔放な(おばかな?)主人公を中心としたコミカルな話の展開の中に垣間見える不気味な雰囲気が漂うこの作品。果たしてこの先どうなっていくのだろう、と興味が尽きません。とても読みやすいので是非ともご一読を!
この作品、とにかくキャラのアクが強いです。暴走する女主人公、冷静な世話焼きタイプのように見えて突如ヒステリックになる幼馴染、190cmを超える謎の白塗りおばけ(中身は誰よりも乙女)と、枚挙に暇がありません。そんな魅力的なキャラたちのせいでとても賑やかな作品ですが、どこか和風で仄暗い雰囲気を醸し出しているのも見所。更に仏教をモチーフにした設定も匂わせていたりと、意外と内側への広がり、深みを感じさせる作風なのが、表面的な騒がしさと対比していて面白い構造です。文体はライトでサクサク読めるので、是非多くのなろう読者に知って頂きたい作品ですね!