評価:★★★★☆ 4.4
「ごめんなさい。リンゴは食べられないの」
もしこんなことを言ったら……。
ミコはお母さんに尋ねました。
あのね、もし、白雪姫がりんごをものすごく嫌らっていたらどうなってたの?
「そうね。お妃様はりんごを食べさせることができなくて困ったでしょうね」
そうか、困ったんだ。ミコは考えます。じゃあ、どうしたんだろう。(本文抜粋)
ミコは小学生の女の子。ある日、こんな疑問を抱きます。じゃあ、一体お妃様はどうしたんだろう。
お妃様は白雪姫にどうにかしてりんごを食べさせようと四苦八苦。あれ、でもいつのまにか……。お妃様もハッピーエンドを迎えられるようなそんなお話。冬の童話祭2018参加作品です。よろしくお願いします。
話数:全3話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
過去のなろう公式企画であることはわかっているのですが、面白かったのです。「もしも白雪姫が林檎嫌いだったら」と仮定したこの物語の主人公ミコちゃんが、そこからあれやこれやと一生懸命考える二重構造。「どうやったら白雪姫が嫌いな林檎を食べられるようになるのかな?」ミコちゃんの優しい思いやりが童話の世界に介入し、お妃様が林檎嫌いの白雪姫のために粉まみれになりながら奮闘します。私も1つのことにこだわりだすと夢中になって時間が経つのも忘れてしまうので、実は思いっきりお妃様に感情移入しました。「わかる、それ、わかるよ!」と。夢中になる、こだわりはじめる、そのうち本来の目的がそっちのけになる。ミコちゃんの優しさ、なんと童話の世界を救っちゃう。この物語のテーマは「夢中で楽しんでいる人は輝いていて美しい」ってこと。鏡だけじゃない、城中、いいえ、国中が認めるお妃様の美しさ、どうぞ、ご堪能あれ。