評価:★★★★☆ 3.8
さあ、さあ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。
世にも楽しい夕暮れ一座の影絵劇が始まるよ。本日舞台を飾りますのは、
幸せを掴んだ三人の賢者とひとりの愚かな若者のお話。
愚かで愚かで、笑い転げてしまいそうなお話。ささ、良い子のみんなはようく目を凝らして、耳を澄まして。
赤い眼の男の話が始まるよ。
話数:全5話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
これは大人のための童話だ。読み進めるごとに残酷で、ため息が出るほどに美しい。熱い血潮のように赤い夕焼けが、ありありとあなたの目に浮かぶだろう。物語に出てくる青年は、人と異なる特徴を持つがゆえに忌み嫌われる。それは瞳の色そのものではなく、あまりにも純粋な若者の心が、鏡のように私たちの醜さを突きつけてくるからかもしれない。美しいものは憧れだが、あまりにも尊いものは時として憎悪の対象となる。裏のない愛情を、踏みにじり、引きずり落とし、汚してしまわなければ、心の安寧を保つことができないのだとしたら、人間とはなんと哀れで不幸な生き物だろう。愚かな若者の結末は、あなたの目で確かめて頂きたい。幸せの定義はきっと読み手によって変わるはずだ。不思議な一座が配った飴玉の味は、受け取った人によって千差万別で、ひとつとして同じ味はない。あなたが食べる飴玉の味は、果たしてどんなものだろうか。