評価:★★★★☆ 3.8
鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)――“悲惨な死に方をした者の浮かばれない亡霊の泣き声が、恨めしげに響き渡るさま” 悲しい事件の犠牲となった少女を巡る怪異から幾年かが過ぎ、十八歳になった雪臺世莉樺は高校の宿泊研修で鵲村を離れ、海沿いの田舎町『水鷺隝』へと向かっていた。数か月後には高校卒業を控え、バスの中で友人と将来を語る世莉樺。しかし彼女を待ち受けていたのは、以前に遭遇したそれにも勝る恐るべき怪異だった……。負念と悲劇が渦巻くラメントホラー、第三章。
話数:全46話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
死後に負の感情が鬼と化す。そして、鬼は生きた人間を食らって、食らった人間を鬼の中に取り込んでいく。『鬼哭啾啾』シリーズの第3弾。(いずれも相互関連性を持ちながら別作品として独立しています)1はじわじわ系ホラー(最後に微アクション)、2はアクション要素強めのホラーと進化しながら、3になってダークファンタジーとして様相を一変する当作品。特にこの3、文章からほとばしる怒涛の迫力と愛憎渦巻く当事者たちの奮闘に目が離せません!舞台は風光明媚な海辺の町。そこに宿泊研修にやってきた高校生たち。遥か昔に鬼となり封印されていたはずの伝説の鬼姫、その復活を企む者の悪意に巻き込まれていく主人公。仲間を守るため、精霊の助力を得て霊剣・天照を片手に戦い抜く様に、手に汗握って思わず、休憩することも忘れるくらい夢中になって読み進めてしまいました。面白かったです。
「今度はきっと、楽しめるよ」あの事件から2年。高校三年生となった世莉樺は、学校の宿泊研修で海沿いの町を訪れた。楽しい思い出になる筈だった旅行は、クラスメートの嫉妬や、彼女の失踪によって少しずつ歪み出し……焔咒と名乗る少年から、世莉樺は不吉な予言を託されるのだった。生霊と化した友人たちが彷徨う霧の中、炬白と再会する世莉樺。彼らは無事、友人たちを救うことができるのか。神社の石碑に刻まれた伝説、そして蘇りつつある『溟海の鬼姫』とは。未曾有の災厄に立ち向かう少女の決意と奮闘を描いた、本作は手に汗握る和製ホラーである。少年少女の瑞々しい感情と、衝撃的で生々しい怪奇を両立する作者のバランス感覚は、読む者を驚嘆させることだろう。