処女の咲子は校内一のイケメン男、片桐和彦に恋をしていた。
何度も片桐に告白するが、遊び人の面食いモテ男の片桐からは全く相手にされない。それもそのはず、咲子は冴えないガリ勉女だ。
しかも、駆け引きが下手くそで恋愛経験ゼロの処女。片桐から「お前の愛は受け取れないけど、ラブレターの文章上手いからさ。小説書いたら?もし、面白かったらデートしてあげるよ。」と言われる。
そんな片桐の一言をキッカケに、咲子は小説家を目指す事になった。
しかし、咲子が出向いたSHOW出版社は・・。非常に奇妙な会社だったのだ。
彼女に仕事を依頼した佐藤雪というクールで不気味なスタッフの案内の元に、ある官能ストーリー作家を紹介される。
彼女の名前は、月野マリア。元企画AV女優。
波乱万丈な人生と過酷な仕事を繰り返した彼女は、ある日突然「ストーリー作家になる為、引退する」と言ってAV業界を引退した。
しかし、彼女はろくに義務教育を受けておらずロクに漢字すら書けない女だった。
だが、彼女の脳内で作り上げられた作品はどれも人の心を打つ作品で、出せば必ずヒット作となるのだ。
ストーリーを作り上げる事に関しては天才。
しかし、文章の書けない女。月野マリア。ストーリーを書けば、歴史錯誤のセンス無しの駄作ばかり。
しかし、幼き頃からの親からの英才教育により、すこぶる文章の上手い女。伊藤咲子。
処女の咲子は、スタッフの佐藤雪により月野マリアの作り上げた官能物語を小説にする作業をして欲しいと依頼され官能小説家を志す。
ただし、月野マリアのゴーストライターとして・・。
ガリ勉処女の咲子は、咲子の秘書になることを決意した片桐と共に「官能小説」を書くための資料を収集しにいく。
月野マリアのアダルトビデオやエロ本を見つけては、複雑な思いを抱え。
また、大片思いをしていた片桐君への愛についても、徐々に模索してゆく咲子・・。
そんな最中、咲子と片桐の前に月野マリアの幽霊が現れたのだ・・。
- 未登録
- 未登録
この小説は神です。まず素晴らしいのはタイトルです。「処女、官能小説家になる。」僕はこのタイトルを見て何度も笑いました。後になってもこのタイトルが頭から離れなくて人前で思わず笑ってしまって恥ずかしい思いをしたくらいです。タイトルから想像した以上に内容は深いと思います。色々な人の苦悩が描かれていて思わず涙も出ました。ユーモアがあるだけでなく、この小説は深い人間の心理を突いています。僕は「小説家になろう」に入会して3カ月になるのですが、連載小説は長いので読むのが苦手で一度も最後まで読んだ事がありませんでした。しかし、この連載小説はあまりにも面白すぎて最新話まで退屈する事なく読み終わりました。今では次の話が待ち遠しくて待ち遠しくて、毎週少年ジャンプを楽しみにしていた少年時代のようになっています。