評価:☆☆☆☆☆ 0
二人を結びつけた、思い出のライヴハウスが消える。
高円寺に暮らすパンク・ロッカー、アイヴィーとシン。出会ってから数年、子供から大人へ変化を遂げた二人の耳に、火事で閉店を余儀なくされたライヴハウス「ギヤ」が入っていたビルの取り壊しというニュースが入ってきた。
最後にもう一度だけ、何かを感じたい。そんな思いで廃墟となったビルの前に立つ二人。かつて地下に降りる階段があった場所は壁でふさがれ、立ち入ることはできない。何気なく壁を押したアイヴィーとシンの身に、信じられない出来事が…。
長編小説「おばちゃんのフラッシュが瞬いたらパンク・ロッカーたちはより煌めいた。」のスピンオフ作品です。
https://ncode.syosetu.com/n8180ef/
(「おばちゃんのフラッシュが瞬いたらパンク・ロッカーたちはより煌めいた。」をお読み頂いてからの方がより興味深いと思いますが、本作単独でも分かる内容になっております)また、2009年に火災によって閉店し、2018年2月にビル取り壊しによって永遠に伝説となった2軒のライヴハウス「高円寺GEAR」と「高円寺20000V」の思い出に捧げる作品でもあります。
話数:全3話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
伝統あるライブハウスが孕んだ夢の死に様と、変わらない生き様を選んだパンクスが孕んだ新しい夢の、お話。大切な夢が炎に包まれ、崩れ落ちた時、誰もが呆然とし、燃え盛る火を、崩れ落ちる夢を、只々見ることしか出来ない。その一部始終を、ライブハウスと言う舞台で物語を進められるのは、やはり、一部のライブハウスを愛してやまない人だけ。行間から悲しいくらいに、切ないくらいに、作者の涙がポロポロと零れ落ちてきて、読み手の心を揺さぶります。大切な人や夢が突然に消えて、どうしたら良いのか分からなくなった方、是非とも御一読を。必ず、明日が芽吹きますから。ライブハウスを愛してやまない者より★