評価:★★★★☆ 4.3
「これは命令だ。不死者……"聖女"を殺せ」
要するに死んでこいと言われたにもかかわらず、王子ワイツは律儀に兵を出した。行っても女神教の狂信者に瞬殺されることなどわかりきっているが、彼にも彼なりの事情がある。
玉砕覚悟で進む道中、壊滅した村で重傷を負った少女を拾う。奇遇なことに彼女も不死者。"魔女"と呼ばれる厄災であった。
話数:全100話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
完結日:2018年2月18日
作者:マルハナ
「これは命令だ。不死者……"聖女"を殺せ」
要するに死んでこいと言われたにもかかわらず、王子ワイツは律儀に兵を出した。行っても女神教の狂信者に瞬殺されることなどわかりきっているが、彼にも彼なりの事情がある。
玉砕覚悟で進む道中、壊滅した村で重傷を負った少女を拾う。奇遇なことに彼女も不死者。"魔女"と呼ばれる厄災であった。
タイトルだけでほとんど全部言ってしまった感はあるけれど。真面目で仕事熱心な王子様()が王さまの命を受け、慈愛深き不死の『聖女』の討伐の旅にでることになりました。しかし、討伐のために集った人員王子当人を含め、…大体アレだったのです。みたいな話。話が進めば進むほどにサイコ系悪役の集団の様相を呈してくる主人公達ですので王道を期待している人にはあまりお薦めできません。でも、彼らなりの友情(風前の灯火)とか、(全力で間違った方向に突き進む)努力とか(漏れなく陰惨で血生臭い)勝利の不思議な痛快さが貴方もきっと癖になるはず。
異世界転生&俺tueeなどのテンプレ要素がない作品を読みたい方におすすめです。異世界の話ではありますが、世界観はしっかり作り込まれていてハーレムなし、チートなし、転生なしの物語です。この作品の1番のポイントは主要登場人物たちが皆どこか狂っている所です。ですが、各話の題で書かれている人物の視点で描かれていて、そこで各人物について深く知れていくので、感情移入はしやすくなっています。全員別々の方向に狂っているのに、違和感なく皆で一つの目標に向かっているのがすごいと思いました。これだけ深く作り込まれていて、スローペースなのである程度は読まないと魅力が伝わりにくいと思います。このレビューを見て興味を持った方は、ぜひ序盤で読むのをやめずに読み進めていってください。徐々に深みにはまっていき、最新話まで読み終えたら虜になり、他の作品ではどこか物足りなく感じてしまうでしょう。