評価:★★★★★ 4.5
2月になると街にながれる歌がある。わたしはその歌を耳にするといつも疑問に思うのだ。
どうして鬼は、ぱんつなど履くのであろうか。
鬼とは異質なるものであろう。だと言うのに、まるで人間の真似をするが如く、ぱんつを履く。履くにいたった過程があるのではなかろうか。そんなくだらない妄想がスーパーに行く度にもちあがる。
本作はそんな妄想から広がり、あさっての方向に着地してしまった物語りである。どうしてこうなった? そう思う。無断転載禁止。無断複製禁止。私派ぼくら様企画「闇フェス」参加作
エブリスタ掲載
話数:全3話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
この世はどうにもならないことが多すぎる。頑張れと言われたって、これ以上どうしようもない。もういっそこのまま溶けて消えていなくなってしまえたら……。少しでもそう考えたことのある方なら、きっとこの作品に共鳴する部分があると思います。主人公は「うし鬼」と呼ばれる妖怪。「うし鬼」は人間や動物の影を舐めて暮らす弱い生き物ですが、容姿の醜さと影を舐めるという特性から人間に蔑まれて生きています。そんな彼に、とある男が取引を申し出ます。文化的な生活を身に付けていくなかで、「うし鬼」は取引に隠された真実を知ることになるのですが……。物語の途中で差し込まれる独白は、どこか切実で読み手の心を揺さぶり、最終話で一直線に繋がります。その時あなたは家族というもののままならなさと、愛情の複雑さを垣間見ることになるでしょう。決して他人事ではない。幸せとは何なのか、思わず考えてしまう一作です。