武器用な俺の出番！　～ふきとぶ日常、きらめく無駄知識～

SFに限った話ではありませんが、過分に物事の理屈を説明しようとして雁字搦めになってしまったり、逆に創作なんて適当でいいのだと舐めた姿勢で臨まれては、読者にもそれが伝わり、気持ちが萎えてしまいます。が、本作においてはそれが上手く書き上げられていると感じました。マニア心をくすぐる程度には詳細さを、話を盛り上げる程度には不思議さを。おかげで私は没入感を得られ、その分だけ人物たちとの距離が近くなり、彼らを好きになれました。子供たちの、大人たちの、心の動きがこちらの心の内にも響き、まるで背後霊のように付きまとっては勝手に応援している気分です。また、主人公越智の一人称で話は進むために忘れていましたが、当然ながらそれ以外の場所でも物語は進行しています。本編完結後の短編でそれを思い出させられ、また違った味を楽しめます。パニック物だけあって少々ヘビーですが、私はこの作品が大好きです。

授業中。ふと考えたことはありませんか？ああ、学校無くならないかな？ とか、宇宙人が来たりしないかな？ とか。こうなります。こうなります。私はあまりネタバレしたくないのですが、ネタバレしないと文字数がつらいので少し広告風に。終わる日常。始まるサバイバル。少年たちは取り残され、命を懸けて血路を開く。仲間の死さえ乗り越えて、平和な日常を、取り戻すために。異世界に飽きたあなたへ、銃弾飛び交う戦いをプレゼントしましょう。あなたが気に入ることを願って。