評価:★★★★☆ 3.5
「俺は主人公じゃない」
主人公というのはいつだって優れた奴で、秀でた奴で、常に舞台の中心で踊り、物語を動かしていくような奴だ。だが俺は断じてそんな大した奴ではない。
そんなことを信条にする俺だったが、少なからぬ因縁のあるクラスメート、神子島・玲花によって春の体育祭の実行委員に任じられたことから、俺は“背景”から少しずつ逸脱せざるを得なくなっていく。八瀬・愛生――“困っている女の子”を、助けるために。
でもなあ神子島、そんなことは、俺の役割じゃないんだよ。そんなかっこいいことは、それこそ“主人公”が、お前や堂島・竜賢みたいな優秀な奴こそが、出張ってくるべきところなんだ。断じて俺などではなく。
かつて諦め、背景であり続けることを任じるダメな奴が、お節介な主人公によってスポットライトへ押し出されていく――これは、そんな物語だ。
話数:全26話
ジャンル:ラブコメ
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
自分が何の特出の能力も持っていないことを自認する、それでも同様に才能のせいではぶられた陸上部のクラスメートを助けたい青臭い主人公が頑張る話です。青少年特有の葛藤が良く書かれています。ほかの作品を画す語彙力と描写力も見どころです。現実でも起こり得るのリアルな成長もの、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」と彷彿させます。