評価:★★★★☆ 4.3
1999年、6月。
残酷な偶然で生き残った、ひとりの少年。
雨のなかで起きた事故。二つの『家』を繋ぎ、少年をも縛ろうとする宝石の因縁。
少年の行き先、事故の真相、宝石の行方をめぐり、探り合う大人たち。
家族をなくし、帰る場所をなくした少年は、見知らぬ大人たちの集う館で、ひとり考える。
限られた時間のなかで、少年は答えを出さなくてはならなかった。1999年が舞台で、ほぼ『館』のなかで展開するお話です。
序盤は、少年ではない人物の視点で始まります。中盤から、少年視点で物語が進みます。
話数:全65話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
とある館に集まった人達が、ひとつの宝石を巡って思惑を張り巡らせるミステリーになっています。館という動きの少ない中で、主人公の視点を変えるなどしての見方を変えており、殺人や暴力など派手な動きはないにも関わらず心理描写や人の動きだけで楽しめる作品です。風景描写や宝石の表現など、綺麗な雰囲気を醸し出しています。
沢山の登場人物が登場します。そして、それぞれがそれぞれの思いを抱えています。それは良いことも悪いこともありますが、最後にはそれぞれがきちんと自分の事を見ることが出来るようになる、という救いのある物語です。途中から少年の視点で物語が進んでいきますが、少年の視点でありながら、読者に違和感を感じさせずスムーズに物語に入りこむことが出来ます。エピローグが素晴らしく良いです。そこまで読んできた読者は、きっと彼等のことを祝福したくなると思います。