評価:★★★★☆ 4.1
卒業式の日の情景。オムニバスです。言いたくても言えない気持ちを抱えた彼らの恋心を見守ってください。
1話目は大好きな先輩に告白することが出来なかった女の子の話。2話と3話目がその女の子をずっと見守っていた男の子の話。4話目は先輩からみた女の子と男の子のこと。5話と6話目は先輩に告白された女生徒から見た話。7話目は1年女子の思い。8話と9話は1年男子のこと。10話と11話は1話目と同じ女の子の話です。ほぼ彼女の独白になります。12話はサブタイトル通りに手紙です。嘘つきな彼の本当の気持ちが書かれています。何が本当で何が嘘なのか。手紙の言葉に惑わされないでくださいね。銘尾友朗さま主催の『春センチメンタル企画』参加作品です。
話数:全12話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
ああ、やはり…と思った。せつない片恋に苦しむ少女と彼女を見守る少年と、想われる少しだけ年上の少年。だが、この少年の諦念は何故なのか?こんな少女に想われながら。最後まで読み終わってため息をついた。彼が見つめていたものは己れの、そして少女の未来。彼こそが、決して伝えられない、伝えてはならない恋心を抱いていたのだ。もう一人、自分を想う少女を傷つけることを厭わないほどに。読み終わって、泣いて欲しい作品です。
タイトル通り、「伝えられない恋心」を抱えた高校生たちのお話です。みんな片思いで、焦れったくて、一生懸命。登場人物全員を応援したくなります。青春は、ほろ苦くて、少し甘酸っぱくて、ほんのりしょっぱくて、決して楽しいだけではありません。でも、年月が経てば、それは全て懐かしい思い出。恋をしている最中には、とてもそんなふうには思えないでしょうけど(笑)今、全員が幸せになれなくても、未来は、きっと明るいはず。読んだ後にそう思わせるのは、恋愛作品が得意な作者様のお力なのでしょう。さあ、ぜひ彼ら彼女らの恋を確かめてみてください!
「伝えられない恋心」タイトルから想像できる通りの物語です。それなのに面白くて夢中で最後まで読みました。エピソードが素敵すぎる。爽やかなんです、とっても。作者はどこから湧いてくるのだろう?といつも不思議に思うぐらい恋愛を書きなれた人です。そのプロの腕を持った作者が銘尾 友朗さん主催の「センチメンタル企画」に参戦しました。私はこれが短編ではないというところに、期待をしています。この作者のことだからきっと・・・。皆さんも週末のお供に、淡い恋をひとついかがですか?