評価:★★★★☆ 4.4
遺伝子最適化が合法化され、日本人は美しく優秀であることが一般的になった。そんなご時世に、最適化されていない『未調整』の布津野忠人は、三十歳にして解雇され無職になってしまう。ハローワークからの帰り道、布津野は公園で完璧なまでに美しい二人の子どもに出会った。
「申し訳ありませんが、僕たちを助けてくれませんか?」
彼は何となく二人と一緒に逃げ回ることになり、次第に最適化された子どもの人身売買の現場へと巻き込まれていく……。
<本作の読みどころ>
現代日本でのおっさん主人公最強モノ。遺伝子操作された周りの仲間は優秀だけど、主人公はごく普通の人。だけど、とても善人だから、みんなが彼についてきて世界まで救ってしまう系のノリ。アクション要素あり。主人公が必死に頑張ってきた合気道で爽快に大活躍。そうやって心を開いていく子どもたちを養子にしちゃう話です。※プライムノベルス様より『遺伝子コンプレックス』として出版させて頂きました。
話数:全144話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:残酷な描写あり
人生を変えた…といえば過剰な言い方だと思いますが、物の見方を変えてくれる至高の作品です。 何気なく使っていた言葉、「未来」や「平和」というものが、こんなにも苦くてきつい物だったのかと気づかせてもらえました。 主人公最強物と言えばチープなイメージが付きまといますが、彼の最強の源は決して相手を貶めるものではなく、「呼吸」という技術そのものであることも魅力的でした。 作品のテーマでもある「お父さん」や「家族」は最終章でガッツリ書いていますので、どうか最後までお読みください。 あと新刊待ってます!
社会的に圧倒的弱者である、冴えないおっさんが、何故か武術の天才で無双し、周囲から好意を集めまくるお話。と、書くと単なる無双ものと思われるかもしれない。しかし本作は、遺伝子操作という科学的な背景と、親子の情や子供の成長というテーマが独特な空気を与え、えもいわれぬ魅力を醸し出している。登場人物はどのキャラクターも主役をはれる、癖のある人物ばかり。父親おっさんの引き立て役であるはずの、美少年息子が凄く良い味を出している。意外と女性向けの話なんじゃないかなあ、と思う。ロク君がすごく可愛いから。読んでみて損はない。完結おめでとうございます!
親と子の関係性とはなんだろう血の繋がり、というものを越えたところにある人と人の関係性から見つめ直してみる。 能力の有無、才能と、人の価値との関係とはなんだろう。教育、出来不出来、そのような、余計なもの(世間的価値観)に左右されず、人を人としてみる、その当たり前のところをうまく物語にしているように思います。 全ての子どもに等しく向ける視線大人とは何か、子どもと何か、本当に大切なものは何か、それをもう一度考えさせてくれる作品だと思います。 もちろん、そんな考察めいた部分ではなく、物語としても、主人公のキャラ、子どもたちのキャラもユニークで、とても楽しめる作品だと思います。 余談ながら、この作品を読んで、合気道って興味深いと、私は思いました。
筆者がキャラが勝手に動くと書いていたが、まさにその通りであると感じられる作品。読んでいると心地良さがあり、定期的に読み返してしまう。複数の登場人物の視点が分かりやすく描写されているのも良い。女性陣よりロクやニィの方がかわいく感じてしまうのは、私の感性によるものか筆者の意図するものなのかが不明。このような作品が評価されていけばいいと思う。
おもわず、そういいたくなる作品でした。小説家になろうではなかなかうけが悪い作品だとはおもいます。しかし、面白い。皆様はガンダムSEEDというアニメを覚えていますか?そのアニメででてくる、遺伝子操作されて頭脳、筋力、反射神経。全てに優れた改造人間。コーディネーター。この作品のメインは同じように遺伝子操作された、優れた新人類の話です。しかし、メインは違います。弱い、弱い。旧人類、遺伝子操作されない未調整なオッサン。彼が主人公。力はなく、頭も弱い。しかし、負け続けても諦めずただ愚直に鍛えた業。彼はなにを成し遂げていくのか。そんな彼に気がつけば、声援をおくり、気がつけば涙を流していました。皆様、是非。御一読ください。
遺伝子最適化を題材にされている作品ですなぁ。なろう系で流行っているチート的な流れの作品とは一味も二味も違い、設定やキャラクター、そして世界観がとてもコク深い。又、コミカルな味付けがしてある部分がとても読み手を魅了していますなぁ。そして、全体を通じて読みやすさもあり、なろう読み手初心者様から読み手の玄人様まで幅広く支持を得られそうな感じがします。皆さま、六月の夜長にこちらの作品を読まれてみてはいかがでしょうか。
遺伝子調整が当たり前になった日本で、無職となってしまった無調整のオッサン。そんなオッサンが主人公のある意味、王道ものと言える題材です。最初は良くあるものと思ってしまうかもしれません。私もそうでした。しかし、だがしかし。少し読み進めると目が離せなくなってしまうのです。私の心に何が直撃したのかは、実は私にも分かりません。しかし、これだけは言えます。おっさんたちは読もう。
臓器売買が裏の世界で幅をきかせている現代の先はこうなるかも知れない……。遺伝子最適化、この作品はSFというより人間の一歩先を描いているような気がします。デナイザーベビー(designer baby)――受精卵の段階で遺伝子操作を行なうこと によって、親が望む外見や体力・知力等を持たせた子供の総称――が医術として存在しようとしている中、ありえないことではないと思います。その遺伝子最適化という〈器〉に閉じ込められている子供たちはどうなるのか、人の心はどうなのか、とつい読み急いでしまいます。学生さん達はもとより社会人の方々にもお勧めします。もしかしたらもう隣で起き始めているかも知れないことだから……人の欲はきりがなく、〈業〉を孕んだ存在なのだから。
遺伝子操作による生まれながらの優性、それにともなう倫理的、現実的な問題。シリアスなテーマですが、物語に溶け込みやすい主人公のおかげで、さくさく読めます。冒頭はコミカルな印象を受けましたが、シリアスです。でも、胃もたれするほど重くもなく、なかなかのバランスだと思いました。 SF的な近未来な世界観が好きな方にはおすすめかと思います。 ラストは少し駆け足気味な感じもしましたが……続編も構想中のようなので、期待しております。