評価:★★★★☆ 4.3
マンガ編集者は、優れた作品の「書かせ方」を知っている!
将来は漫画家になりたい、漠然と考えていた小学生がある日、愛読していた週刊少年ジャンプ誌上に「作品持ち込み大募集」のページを見つけ出す。
一念発起して付けペンを使って本格的に漫画を描き、原稿を手に憧れのジャンプ編集部へと赴く。
そこで待っていたのは小学生ですら名前を知っているジャンプの有名編集者であった。稚拙な原稿を笑いもせずに目を通すプロ編集の口から、小学生相手とは思えぬ「創作のヒント」が次々と語られていく――
話数:全6話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
筆者が小学生時代にマンガ家を目指し、とある編集部に持ち込んだときの思い出。 題材は漫画だが、創作初心者がやらかしちゃった欠点に、超スーパー編集者(名前見ればわかる)がバシバシ指摘を入れ、具体的改善策を出す。小学生相手に真摯だ。 その点を直して読者(同級生)や編集ウケもよくなり、自信をつけるが、結局筆を追ってしまう。とある高校生の投稿作を見て”こんな相手と戦わなければならないのか、という思いに打ちひしがれた”今や神絵師と名高いあの人(名前見ればわかる)。これは心折れるわ。悪いけど笑った。(当人には笑えないだろうが。) 改めてこの作品を読み直すと、マンガ読者を同級生に想定して「同級生に見せて~」云々と大人になって分析してるのが、エッセイ読者を「創作初心者に見せて~」としたときにそのまま当てはまる。経験を活かして書いているのだろう。
まず衝撃を受けたのは文章である。描写、説明、構成が絶妙に調和し、エッセイでありながら物語に引き込まれた。主題は編集氏の金言であるはずだ。しかしそれ以前、文章力で敗北してしまった。どちらかといえば私も論理的に小説を書くタイプだから、およそ明文化されている執筆の金言は知っている。もちろんこの作品で書かれている金言も知っていた。しかし、知っているだけでは足りない。理解してもまだ足りない。自然に描けてこそ金言を活かせる。改めて己の至らなさ、筆者のレベルの高さを思い知らされた。ありがとうございました。