評価:★★★★☆ 4.1
*完結しました!
龍がその地を統治していたという伝説の残る『玉龍国』。18歳になった少女・月予(つくよ)は女官として宮仕えをするのを拒み、断髪し、月國(つきぐに)と名乗って、男として仕官する。男社会でのし上がり、女の道を切り開きたいという野望を抱いていた月國だったが、ある日、城の中で死体を発見してしまう――というシリアスな皮を被った少女小説です。少女が、信念に、野望に、友情に、恋に、奮闘するお話です。
設定上、男女差別的発言、どちらかの性別に寄った発言が飛び出す場合がございます。お気を付けください。
話数:全55話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
読み終えてしばらくたち、ふとネットを開いて気付く。「あれ、続きないじゃん」当然だ。読み終えてしまったものに続きはない。そこでようやく、自分が物語の世界に引き込まれていたことを自覚した。臨場感のある情景描写に、女性視点の新鮮さ。そして主人公が女性ながら男性社会で生きるという奇妙さ。その独特の世界観と物語があっという間にこの話の世界へと誘ってくれる。特に、情景描写は文章から世界がそのまま飛び出してくるようだ。宮殿の雰囲気から団子の匂いに至るまで、無駄なく簡潔にしかし情感を持って表現されている。総計十七万字と初見では長めに感じるが、一度読み進んでしまえばあっという間に読み終わってしまうだろう。ぜひ読まず嫌いをせずに、第一話を開いてほしい。