評価:★★★★☆ 4.1
旧題:おっさんたちの戦いはこれからだ!〜勇者パーティーの初期メンバーだった商人は勇者を使い捨てた大国にブチギレました。
勇者ヴェルクトの最初の仲間、商人バラドは魔王軍幹部への敗北を機に勇者パーティーを離れた。
だが、その後もバラドは資金や物資、装備の面から勇者を支え続け、魔王との決戦に送り出す。
しかし勇者は帰らなかった。
魔王を討ち果たしたものの、魔王が放った呪いで命を落としたのだという。
その筋書きに疑念を抱いたバラドは勇者最後の地である魔王城へと赴き、勇者を手にかけた犯人が勇者パーティーの最終メンバー、大国アレイスタの王子メイシンらであること、そして殺された勇者に蘇生の可能性があることを知る。
勇者を救うべく、勇者の遺体が運ばれたアレイスタの王都に向かうバラド。
金物屋上がりの中年商人は、実は稀代の傑物だった。
勇者支援のために作り出した武装経済組織、マティアル勅許会社を動かしたバラドは勇者奪還のために勇者の国葬への潜入、さらに『裏切り者』たる大国アレイスタへの包囲網構築を画策する。
しかしその一方、勇者の死によって命脈を保った『邪悪なもの』もまたアレイスタに根を張り、新たな災厄を生み出さんとしていた。
腐敗した王都に勇者に関わる者たちが集い、最後の戦いが幕を開ける。
それは勇者を救う戦い、一つの時代を終える戦い。
話数:全75話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
ランキングで上位に入っていましたがタイトルから敬遠していた作品でした。(よくある俺TUEEEE系復讐劇かと思って……)余り期待をしていなかったのですが、予想以上に心情が深く描かれており、コミカルなテンポでクスッと笑う場面があると思えば、あぁこの人がいなくなってしまうのか……と涙する場面もあり、76ページで終わってしまうのか……もっとこの世界を見たかった……という余韻が後を引きます。おっさん主軸ですが、登場人物皆が主人公級のストーリーを秘めていてスピンオフも是非とも読みたいなぁという願望があります。残酷な描写やグロテスクな表現も想像出来る文字での表現力に感動しました。漫画とか、映像とかになっても楽しいんだろうなぁと思ってしまいました。素敵な作品と出会えて良かったです。
魔王を倒して世界を救った勇者が、悪意ある仲間に裏切りを受けて殺される。 正直、このパターンの話は結構な数がある。 勇者本人が何らかの要素で蘇って復讐するところまでセットで。 今作の復讐劇は少し変わった展開を見せている。 この勇者が本当に陰謀を考えつく頭の無い単純に優しい子で、正しさを持った沢山の大人がその子を認めて全力で助けていた。 一言で書くなら、世界を救った人が救われない訳ないじゃん?っていう、お話。 勇者が復讐物を見て、この世界の人達情けないなぁと思った人ぜひ。
異世界勇者パーティ物を創作する時にこのような構成で捉えて執筆すると素晴らしい作品が出来上がるのだなぁと思わせてくれる作品ですなぁ。全体的に巧く纏まって文体も読み手様を作品世界観に誘う技量とセンスが作品全体に花咲いていている素晴らしい作品ですなぁ。主人公である商人と勇者や他のキャラクターの位置取りは実にバランスが良く作品を構成する上で読み手様にわかり易くなっていますなぁ。皆様、冬の夜長にこちらの作品を読まれてみてはいかがでしょうか。
人類のために魔王を倒した若き勇者を裏切り、手に掛けた卑劣な者達を相手に、おっさんが資金、組織、人脈を駆使して復讐していくという物語。分かりやすい勧善懲悪物でありながら、主人公が独り復讐に燃えて裏切り者を殺して終わりといった単純な内容ではなく、主人公が勇者を支援するために育て上げた巨大な組織を使って相手を追い込んでいくという一工夫加えたストーリーになっている。分かりやすい上に話が単調にならず、かといって複雑でもない。テンポも良いからサッと読めて面白い。まだ字数は少ないけど、十分面白いから是非読んでみてくださいな。
やあ。このレビューを読んでるのは、おっさんかな?かくいう私も、おっさんでね。なんだか昔を懐かしむ様な話をすると、ますます『おっさんっぽい』けど、たまにはいいじゃないか(笑)――昔テレビで、『必殺仕○人』や『ハング○ン』を視ていたなら、もう立派なおっさん。昔はドラマ制作における規制が厳しくなくて、当時の悪役はそりゃ外道なコトしてた。で、外道な悪役をぶった斬る主人公たち。最高だね。美味い酒を飲みながら爽快なドラマを視る。おっさん幸せ。この小説は、そんな古き良き『おっさんホイホイ』が詰まってる。おっさん大歓喜。もちろん、他の世代も楽しめるけどね。小気味よいストーリーの展開や、いろんなギミックが満載のアイテムにも、世代を越えてワクワクしようじゃないか。···と、私の中の『おっさん』が囁くのでレビューを書いてみました。レビューを書きたくなるほど面白くて、おっさん驚きだ。