菓子先輩のおいしいレシピ

美味しい料理は心も体もあたためてくれます。その料理を魅力的に表現し、物語にするのは、途方もない努力が必要だと思っております。それが見事に描写された作品です。本作は「等身大の優しさ」で溢れております。それは作者様自身の内側からにじみ出る人柄なのだと思います。クラスに馴染めない女子高生が主人公。彼女が美味しいお料理で救われ、そして今度は友人を料理で救っていく。そんなお話が実に丁寧に、心を込めてつづられております。作者様の心の中の世界は、優しさで満ち溢れているのだろうなぁと感じました。そしてその優しさが、読み手の心も温めてくれます。ああ、文章とはかくも力があるのか。そう思わせていただける良作です。書籍版はこの世界観がどう進化しているのか。それも楽しみでなりません。あらゆる方におすすめの作品です。

女子高の料理部を舞台にした、友達ができずに悩むこむぎちゃんと、料理部部長の菓子(かのこ)先輩が織り成す青春小説。菓子先輩の手料理はアイデアの詰まった料理で、その料理を食べた人の心は温かく溶かされていきます。こむぎちゃんの秀逸な食レポは、何度食欲を刺激されたことでしょう！人間関係で悩んでいるあなたに読んでほしい、読了すると心がほっこりできるお話です。