評価:★★★★☆ 4.1
忘れ物を届けた事をきっかけに走り出す大井町線恋物語。
いつも何かと自信がない音大生カエ。
ある時車内で忘れ物に気づき、勇気を出して届けに走ります。その先にいた人はカエが今まで話した事もないタイプのショウゴという男子で……タエ子は大井町線が好きだ。
緩やか車窓、柔らかい駅の雰囲気、そして何より気に入っているのは、車内に流れるある一人の車掌さんの声。
その声が好きだと、行きつけの小料理屋〝すずや〟の大将に告げると、傍で呑んでいた男の人がゴフッとむせた。
美味しいお酒と共に走り出す少し大人の恋物語。東急の沿線を絡めながら二つの恋が並走していきます。設定が現在より10年前。若干レトロ感あり。まだスマホが誕生していない時代のお話です。
本編完結のお礼に〝すずや〟の大将と従業員ナミさんの過去話を収録。
番外編の方が甘いかもしれないのは、フェロモン魔人のせい、かも。本編+番外編「ナミさんとフェロモン魔人」共に完結しました。
*今作はなろうに掲載後に、アルファポリスに転載しています。
小説家になろう以外への無断転載は厳に禁じます。
Reproduction is prohibited.
禁止私自转载、加工
禁止私自轉載、加工著者:なななん
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:ジレジレ
展開:未登録
注意:R15
視点が変わる!! 主人公が変わる!?ありきたりな恋愛ものとは違います。まず惹かれるのは今からでは考えられないでしょうがスマホのない時代。そう今よりも不便な時代の恋愛模様なのです。物語を彩る登場人物たちの揺れ動く心模様がもう!!不便な時代に惹かれあう心を繋げるための行動がもう!!もう!! いいんです!!!恋愛っていいなぁ…そう思える作品です。いつか自分もこんな恋を!!愛される自分を!!体験したい!! 出来る!!それがこの一冊にあります!!あなたは恋…してますか?
白陽国物語、黒瑪瑙美術鑑定士は狙われる、王宮メイドはおっちょこちょいなど多くのあったか甘い作品を手がけるなななんさんの、今よりもまだ粗削りな時期に開始された恋愛物。まだガラケーが主流だったころの、大井町線を舞台に繰り広げられる、不器用な二組と こっそりもう一組の恋物語。ちらっとなななんさん内クロスオーバーが入っているので、なななんファンはニヤリとする一幕も。この作品で注目すべきは、恋愛模様は勿論ですが、なんと言っても居酒屋での食事描写。お店の雰囲気まで見えるような こまやかな気遣いに、思わず一杯煽りたくなること請け合いです。勿論、呑める人だけですよ。他作品にはあまりない、じんわりとしみ込んで来るような、静かに広がる、それでいてしっかりと胸に残る。そんな恋模様、いかがですか?
奥手な音大生、カエ。同じ沿線使いの高校生、ショウゴとの出会いは、尾山台。 ほんの少しのきっかけが、二人を急速に近づけていく。 等々力と告げる車掌の声に魅せられるタエ子。そしてその声の主、不器用な仕事ひとすじのケン。 オンとオフとが交じり合って、いつしか。 すずやの大将ツトムと、従業員ナミ。酒と料理と、美女と魔人のせめぎ合い。 青春を謳歌している人も、楽器吹きも、酒呑みも鉄も、みんなまとめてご乗車ください。 いくつもの物語を乗せて、今日も大井町線は走る。 銀地に、日の出のような、夕焼けのような色のラインを煌かせて。
東急大井町線。住居がひしめく東京の街の路地を縫うように走る。そんな電車がある。懐かしい東京の風景だ。変わらない街並みの中、淡い雫の出会いが生まれる。楽器と酒と。男と女と。二組、いや三組だろうか。男女の物語が、線路に沿ってゆるやかに流れていく。東京はせっかちな土地だ。直ぐに結果を求める。だが、ゆっくりと、ゆっくりと歩いて行く初々しい二人を見るのも悪くない。思いとは裏腹なすれ違いと。なかなか正直になれない不器用と。恋愛というものは、いつでも甘酸っぱい。これは、そんなお話。健気なカップルたちを、のんびりと見守ってみませんか?
時代は今より少し前。どこか懐かしい雰囲気を漂わせるお話です。山手線でもなく、小田急線でもない、大井町線での出会いというのがまた嬉しい。学生の恋と大人の恋が並行しながら進んでいきます。学生の恋は可愛らしく、大人の恋はじれったさを感じます。恋に対して不器用なのは、いくつになっても変わらないのかもしれませんね。あなたもこの作品で電車の恋を楽しみませんか?