評価:★★★★☆ 4.4
深夜のバーのカウンター、物書きで友人どうしのミゲルとイリが、久しぶりにふたりきりで座っていた。
イリは何か悩みでもあるらしい。ようやく口を開いて語り出したのは、『ムーパス』についての、不思議な、そして不気味な一部始終だった。一見お絵かきボードのようなムーパスをイリが手に入れたのは、とあるパーティー会場だった……
※ 夏のホラー2018に、洋ホラーで参加です。よろしくお願いします。
話数:全2話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
おもちゃのような姿の『ムーパス』。付属のペンで字を書けば、「次のともだち」に呼びかける。『ムーパス』は「おねがい」を聞く。「ともだち」の望む願いは何かと。『ムーパス』は道を教える。願いをかなえる道筋を。『ムーパス』は代価を求める。先を見通した報酬を。使っている。使われる。道を選ぶのは「ともだち」? 『ムーパス』?
古来より、願いの叶う道具というものに人間は魅せられるようです。例えば「アラジンと魔法のランプ」や「猿の手」。けれど皆さんもご存知のように、願いを叶えるにあたって、何でも制限なしでOKというわけにはいきません。叶える願い事の数に制限があったり、叶えられる内容に制限があったり、あるいは願い事は叶うものの、願い事以上に大切なものを失ったりすることだってあるのです。それでも手を伸ばすにはいられないのですから、仕方ありませんね。さて、本作に出てくる魔法の道具は、懐かしいお絵かきボードによく似ています。何度でも書いたり消したりできるものの、細かい作業はちょっと不得意なあのおもちゃ。これに願いを書き込むと、願い事が叶うまでの道筋が見えてくるというのですが……。欲を出す人間が愚かなのか。あるいは魔法の道具が一枚上手なのか。物語が収束するとき、怖さ以上に納得と満足感を得られるに違いありません。