評価:★★★★☆ 3.7
この記録は“私”がまだ小学生だった頃の実体験だ。
当時、私は担任の女教師から酷い虐めを受けていた。虐めは次第に陰湿なものに変わっていき、やがてクラスメイトを操り、暴力的なものへと発展していく。
私は当時、運動神経も悪く頭の悪い子どもだった。そのため教師に反抗などできるはずもなく、されるがまま耐え忍ぶことしかできなかった。
しかし、私にはたった一つだけ、他人を圧倒する力があった。それを使い、私はその女に復讐を果たす。
私は“私”の事が大嫌いだ。それは復讐を果たした今でも変わらない。
しかし死ぬほど嫌いで馬鹿だった“私”を、あの一瞬だけは褒めてやってもいいと、そう思った。だから私は今ここに当時の記録を残そうと思う。
あの輝いていた一瞬を忘れないために。
話数:全13話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
” 恐ろしい話だった。 教室という囲いの中に弱者はいた。何をするにも不器用で要領の悪い女の子。見下されるように生まれてきたというのも過言ではない。 日々酷さを増す虐め。――だが、たった一つの武器を持っていた。 彼女の美しい””字””。 コピーかと見紛われるほどに美しい字。 彼女の武器はそれだけ。鋭利な牙をもった狼、そして狼に操られる大勢の羊達にとって最恐の盲点だったのだ。「せんせい、わたし、もうがまんしないわ」 これは悲劇。あるいは教訓。 その子供の隠し持つ残虐性に気がついた時、物語は””記録””として封印されなければならない。”