評価:★★★★☆ 4.2
その世界には「女神の樹」と呼ばれる、美しい大樹がありました。
人間も、魔獣も、生きとし生けるものはすべて、女神の樹の恩寵を受けることで、豊かに暮らしていました。
しかし、ある時から女神の樹の力は突然に弱まり、大地はひび割れ、川は干上がり始めました。
そして世界は東西に分かれ、残された恵みを、資源を……女神の樹を求めた争いが始まることになります。そんな頃、まだ豊かさの残る西部の小さな村には、ベンジャミンという一人の男がいました。
村の便利屋としてそれなりに頼りにされている彼が、一人の少女と出会ったことから物語は始まります。英雄になることを望みながらも、何の特別な力も持たぬ凡人に過ぎない中年男。
平穏な生活を望みながらも、世界を救う力と使命を与えられた少女。
何もかもが対照的な二人は、一体どのような物語を織りなすのでしょうか。※本作は2016年11月に「ふりーむ!」で公開した同名のゲーム作品を小説化したものです。
若干の設定の追加・変更点が存在しますが、全体のシナリオは同一のものとなります。
話数:全37話
ジャンル:アドベンチャー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象

【努力をせずに結果だけを手に入れることへの嫌悪】・労せず救世主と呼ばれるようになったエステルへのベン ジャミンの憤り・勤勉さを失った人間への女神の対応【不特定多数の大衆は自己保身しか頭にない】・プロローグ・最終話の救済後の人々・エステルの村強調されているのは、大衆は徹底した利己主義で他人への配慮のない存在といったイメージ。「大衆」と「エステル(=英雄)」を対比構造として見た場合、その中間にいた存在がベンジャミン。序盤のベンジャミンはエステルへの嫉妬などで自分が大衆の側に落ちいってしまったことを意識し反省する。旅を続けるうちに、エステルが自分を頼ってくれていることを意識しだし、「英雄にはなれないが、英雄に対等と思われる存在となる事」で自尊心を取り戻してゆく。\\\\\\\\桜子様の思想っぽいのがとても好きなので次回のディベート作品楽しみにしてます。