評価:★★★★☆ 4.2
名門ユウキ公爵家に仕える騎士ゲオルク・ファン・フーバー。しかし公爵家は、疲弊する地方の不満から兵を挙げ、政府の討伐軍に敗れて断絶してしまう。
エリートコースから一転、明日をも知れぬ浪人の身になったゲオルクは、公爵家の遺臣からある任務を受ける。
『兵力不足を補うために、新たに傭兵団を組織して、その団長の任に就け』
騎士に劣る戦力の傭兵団を率い、運営に頭を悩ませながら、ゲオルクは自らの信念を胸に、果てしない戦場へ身を投じていく。
その先に待つのは、夜明けか、終焉か。
完結いたしました。
話数:全105話
ジャンル:エピック・ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:残酷な描写あり
本作の最も特徴的な部分は、タイトル通りその迫力ある文章にある。あたかも戦場に投げ込まれたかのごとく感じられる大胆で緻密な表現には脱帽である。その文章に私は北方謙三氏を想起したが、筆者がリスペクトしていると知り納得した。なろうでは極めて稀な、一流の架空世界歴史小説だ。登場人物は個性はあるが普通の人間であり、それでいて魅力的に描かれている。特に誇り高く尊敬すべき強敵こそ、物語を輝かせる光だと再認識させられる。主要な人物をあまり増やさずに力強い物語を展開する構成は見事で、引き込まれるように読了してしまう。各種戦術や武具も歴史に登場したもので、非常に説得力を持っている。文章は機能美と似た硬派な美しさを持つ。特にラストシーンは胸に迫るものがあった。僅かながら誤字が見られるが、それを差し引いても一般の小説を遙かに凌駕している。是非読んでいただきたい傑作である。