評価:★★★★☆ 4.3
読書好きの主人公鈴音彩葉(すずねいろは)と彼、山川拓海の甘く切ない恋物語。
―――静かに時間(とき)が流れてゆく。もっといっぱい話したいことがあったのに、もうそんなことはどうでもいい。何も話さなくても、ただ一緒にこうしていられるだけでよかった。すぐ傍に大切な人がいるという安心感。ただそれだけで―――高校生って、半分大人で半分子供。自分たちの力ではどうにもできない出来事により、本人達の気づかないところで、少しずつ歯車が噛み合わなくなってゆく……。
途中心情を表した『詩』を挿入していきます。
ほのぼのと話は進んでゆきます。どうぞ最後までよろしくお願いします。
著作者:藤乃 澄乃
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話数:全17話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
出逢いは、遅刻しそうな入学式の日、一年前。彼の優しさを好きになった。 それからは、小高い丘の上で、揃って読書をする静かな時間が幸せだった。 背中合わせに座り、それぞれの好きな物語を読む。そのページを捲る小さな動きや、緊張や感動の想いが伝わってくることが、とてもたいせつな瞬間だった。 そんなふたりも、おとなたちの事情には抗う術もなく。また、背中合わせに大好きを感じられる悠久を待ちわびる先に、届けられた想いとは……。 時折挟まれる夕暮れのオレンジがせつなさを……。幕間に挟まれるコトノハたちが踏み出す勇気を、読む者に与えてくれるようだ。