評価:★★★★★ 4.5
人類の衰退した、近未来の地球。
今だ人間たちの文明による爪痕の残る中、残った人間達は動物たちと交流しあいながら、仲良く暮らしていた……。
そんな地球上に置いて、他の種とひときわ異彩を放つ半獣人、通称ネクサス。
彼らもまた、地球上におけるメジャーな知的生命体となりつつあった。
そのネクサスの一人である、軍人のサティ。
彼女は鷹のネクサスで、厳しい任務を遂行する日々に、その身を投じていた。
そして彼女には、一人の相棒がいた。その名もラメリア。
決して心を開かない、兎のネクサス。彼女はサティに日々、特に意味のないストレスを感じさせていた。
そんなコンビはある日、隣国へとスパイを命ぜられ、危険と紙一重のその任務の末、うっかり、小さなミスを犯してしまう。
それを理由に、サティは軍から追われてしまうこととなる。電撃文庫大賞の一次選考で落ちた作品何で、そのことを考慮して読んでいただけるとありがたいです。
話数:全15話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
あらすじだけ読むと、サスペンス仕立てなのか、と大抵の人は思うだろう。が。本編を見た人は気づくだろう。この物語が一筋縄ではいかないことを。鷹の能力をもつ軍人のサティと、ウサギの能力を持つ、おなじく軍人のラメリア。この二人がコンビを組み、様々な困難に立ち向かう。軍人であるから、もちろん職場は戦場なのだが、それに関する作者様の知識量もさることながら、私が感嘆したのは、死と隣り合わせである彼らの心情を、戦場に行ったことのない読者に理解させたことである。なんという表現力。なんという筆力。キャラづくりの奥の深さ。もちろんそれだけではない。この物語の中には、我々人間への、作者様からの重たいメッセージも込められている。それを物語全部で畳みかけるように語り掛けてくる。とにかく、このレビュだけでは伝えきれない。それほどに深く、読み応えのある小説である。