払暁 完結日:2018年7月11日 作者:戌島百花(旧100y) 評価:★★★★☆ 4.2「賭けでもするか?」 戦場にてうっかり言った言葉を本気にされてしまった。 騎士と男装魔術師の、双方の思いがすれ違う。試練と葛藤の話。 話数:全69話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 書籍化 男装 異世界転移 身分差 魔法 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
久しぶりに出逢った名作中の名作で、熟成された設定や心理描写、表現力、台詞の一つ一つに魅せられたお作品でした。異世界に突然呼び寄せられた人間が思うであろう思考回路も、同じく呼び寄せられた生命体に対する主人公の慈しみ深い心に惚れます。きっとリカルドさんも、主人公さんのそんな慈悲深い部分にも惹かれたのだと思います。それぞれの登場人物の苦悩や葛藤をここまで上手く表に表せられる作家さんは、とても珍しく貴重だと思います。読み始めてから一気に最終話まで読み耽ってしまうぐらい、ハマりました。【払暁】というタイトルも秀逸で、読み終えて、感服と尊敬の念を抱きました。今後のお作品も、とても楽しみにしています。
ある魔術師と、ある騎士の運命的な出会いの物語。 時に淡々と語られる文体に、読みにくいと感じる人もいるかもしれない。 しかし、ゆっくりと、引き込まれていく。 同じ色でも、人によって見えている色が違うように、同じ事象でも人によって感じかたが違う。 この作品を読んで、久しぶりにこんなことを考えました。 特に、運命的な出会いのお話に飢えている方へおすすめする作品です。
登場人物の心理描写や背景、表現がとても素晴らしい作品です。作成にかかった年数以上の価値があり、読者を手放さない魅力のある作品だと思います。どの話も、素晴らしく、必要不可欠なものです。特に、最終話の“払暁”において、伏線とタイトルを一気に回収するというスゴ技を見せられました。100yさんには、裏切られ続けましたが(いい意味で)、この作品は、常に一貫した安定感をもっています。本当に、名作だと思います。これほどの名作は、今まで見たことがありませんし、きっと今後も見ないと思います。もっと多くの人が見るべきですし、本当に、書籍化してほしい作品です。
異世界へ召還された主人公が、英雄になるこの物語。異世界、最強魔術師、美形の騎士。キーワードだけ挙げれば良くある設定だが、他の作品とは一線を画している。第1話からスピード感のある力強いエピソードで、一気に物語に引き込まれる。話が進むにつれて徐々に明らかになる主人公や取り巻く人々の内情。ひっそりと生きてきた主人公が、英雄としてまつりあげられる苦悩と、それを受け入れ立ち向かってゆく姿。主人公を主とあおぐ騎士との絆。重厚なストーリーもさることながら、登場人物の造形も素晴らしい。どの人物も、やり方や立場は違えど、その人なりの信念を持って生きている。誰を主人公にしてもドラマがあるだろうと想像できるほどだ。そして最後に主人公が知る事実。さまざまなことを考えさせられるラストは、それでも私はいい終わりだったと思う。できれば書籍として手元に置き、読み返したい作品だ。
何年もゆっくりと時間をかけて執筆された物語です。最初にブックマークを付けて、同時期の他のものは更新がやんだり完結して久しいですが、堂々の完結です。イチ、ブックマークの者として感無量です。長く間が空いても待ち続けた一つに、登場人物が魅力的なのがあります。ふと思い立った時に、何だか会いに帰って来ていました。ずっと山あり谷ありと言った風情ではなく、途中淡々とした所もあるかも知れませんが、最後まで是非読んで欲しいお話です。といいますか追い上げが(自粛
日本の平凡な女学生に過ぎなかった少女は、異世界へと召喚され、魔導師になった。徴兵に遭い、性別を偽って戦争に参加。人を殺し、戦友を失い、心と体を傷つけた。追い詰められて、自暴自棄に放った魔法は、その世の地獄を生み出した。自らの起こした惨劇から逃れるように、“彼”は生存者のために命を削り、やがて意識を失った。このお話は、やがて目を覚ます“彼”と、知らないままに助けていた、死に場を求めていた一人の騎士の物語。 物語のあふれる今の社会で、“彼”の物語は王道に過ぎるかもしれない。けれども、命や、それを奪うことの罪悪感、その重みをきちんと描いた作品は、決して多くはないだろう。もっと多くの人に読んでもらいたい、そんな、作品です。 あ、途中の空気は重いですけれども、ちゃんとハッピーエンドですよぅ。
このサイトにある凡百な作品とは一線を画するできばえ。更新が遅めなのは推敲を重ねているものと愚察します。ロビンホブやビジョルドを思わせる描写はすばらしく、特に心理的描写が読者の判断(考えさせる)を惹起させる意味では読者を選ぶのかもしれない。流し読みが相応しい作品が多い中において、じっくり読み込ませる作者の力量に今後の展開への期待が高まる。