評価:★★★★☆ 4
公爵家の令嬢として生まれたクリスティーナは、ある日屋敷に引き取られ養子になった妹と対面することで前世の知識を得る。その知識により、この世界が妹のミシュリーをヒロインとした物語に収められることになることを知った。その物語の中でクリスティーナは悪役令嬢としてヒロインとなる妹をしいたげる立場にあったのだが、実際のクリスティーナはそんな知識は関係ないと妹を思う存分かわいがるシスコンと化していた。
けれども、そんなクリスティーナもいつの日か気が付くことになるだろう。
最愛の妹の最良の幸福は、思い出した知識のストーリーの結末にこそあるのだ、と。
それに対してクリスに訪れるのは、処刑か、自殺か、島流し。前世のストーリーに沿えば必ず訪れる悪役令嬢としての破滅の選択肢を知っても、きっと彼女は迷わない。すべては、妹の幸せのために。
これは自分の運命を顧みず、妹の幸せのためにいつかは悪役令嬢になるシスコンな公爵令嬢の物語。
※PASH! ブックス様で書籍化しました
話数:全124話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象
この話でパッと面白い部分といえば、主人公の自意識の強さが挙げられる。 最終話まで読んで、レビューを書こうとしてようやく思い出したのだが、この話は異世界憑依が土台になっている話だったのだ。 たいてい異世界憑依といえば、現代日本の価値観から物事が動くように描かれているのだけれど、クリスは揺れることこそあれど、その時代を生きる人間だということが、キャラクターの強さという魅力をこの上なく表現している。 とはいえ、出来の良さを如何に論じても上には上がいるということは当たり前の事実。この本が素晴らしいのは言うまでもないが。 タイトルにある通り、クリスは未来に過酷な運命を待ち受ける。故に努力する。 読書において、自分の持たない気持ちを理解したいという方も一定の数が存在すると思われる。 この物語は、愛と努力と勇気を知りたい、がんばるあなたにこそオススメしたい。
お馬鹿な天才悪役令嬢の姉と、したたかな可愛い系ヒロインの妹が、お互いを溺愛しあう様子と、それゆえに起こる騒動に周囲が巻き込まれていく様が、実に楽しい本作。この作者さんの作品は、どの作品も主役周辺の女性キャラクターが(作品によっては縦ロールだったり生首だったりしますが)とにかく可愛らしく描かれているので、個人的にお気に入りの作者さんのお一人なのですが、その中でも本作は特に、悪役令嬢の主人公クリスのちょっと足りてないトコロが良い感じです。欲を言えば本作は学園編をもうちょっと長くやって欲しかったかな?とは思わなくもないのですが、時折クスッとしたい方にはピッタリの良作コメディだと思います。
登場人物、特に女の子が非常に魅力的な作品です。タイトルのとおり物語の中心に姉妹がいるわけですが、能力は高いのにちょっとお馬鹿で自信家の姉と、見た目は天使のようにかわいいけど実は腹黒で猫かぶりの姉史上主義の妹の掛け合いが絶妙。ついついくすりと笑ってしまい、読み出したら止まりません。しかし実はそこは乙女ゲームの世界で、姉は悪役令嬢で妹はヒロインだったのです。妹を幸せにするために、姉は悪役令嬢の役を演じることを誓います。しかし妹にとって1番大切なのは愛するお姉様。果たして姉は愛する妹を幸せにできるのか。それとも妹が運命に逆らいお姉様を取り戻すのか!?誰よりも妹想いの姉、クリスの暴走っぷり(と空回りっぷり)が楽しいとっても素敵な作品です。夜遅く読み始めると寝不足必至ですのでご注意を!