評価:★★★★☆ 4
などと、いたずらに吹聴したりはせず、辺境の都市で慎ましく暮らす一人の冒険者(35)。
薬草採取や低脅威の魔物狩り等、難度の低い依頼ばかりをギルドで請け負う日々を過ごす彼。事情を知らぬ若手の冒険者などは、時に彼を臆病者と蔑み、嘲笑う。
そんな風評もどこ吹く風、今日も独りのんびりと構える彼の下に、一つの依頼が舞い込む。
「この娘に、冒険者のいろはを教えてやってくれんか?」
これは、遁世決めこんだつもりのおっさんと、その周辺の物語。
話数:全34話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
燃え尽き症候群のおっさんが主人公。かつての英雄が独りで隠遁生活しています。隠遁と言いながらも、おっさんの周りでは様々な勢力がおっさんの力を利用しようとしています。そしておっさんはそれらを適度に利用しながらも表舞台に出ようとはしません。このスタンスが実に良い。ハーレムメンバーに囲まれてわずかに浮かれながらも、自分の立ち位置を崩さずに常に一歩引いている。その枯れた佇まいに惹かれます。渋いとも、ダンディとも違う、枯れたおっさん。ジャンルとしては「主人公が実は最強でした」に類別されますが、凡百の作品にはない味わい深さが楽しめる1作です。