評価:★★★★☆ 3.8
過去に受けたいじめのせいで心に傷を負い、人一倍臆病な性格になってしまった高校生、伊角洸一。
ある日彼は、かつては歌手を志していた美しい女性の幽霊、深原藍衣と出会うこととなる。
『ああ伊角くん、歌とか全然やったことない人? じゃあさ、これを機会に始めてみようよ』
「やめてくださいよ。ぼくが歌とか、絶対似合わないですし、無理です」
彼女に歌をやってみないかと勧められ、最初は拒否していた彼だったが、歌の面白さを知り、己の不甲斐なさを知り、少しずつ歌というものにのめり込んでいく。
「――おかしなことを言うようですけど、うちの兄を海に引きずり込んでくれて、ありがとうございます。ローレライさん」
歌とともに紡がれる、少年の青春と成長の物語です。どうぞご覧ください。
※この作品は『エブリスタ』にも掲載しています。
話数:全22話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
「何もない」なんて思い込みだ。当たり前のことだけれども、改めてそう気付かされる。甘酸っぱい青春がぎゅっと濃縮されていた。何かのために動くってすばらしい。「ぼくに、歌を教えてくれませんか」そんな懇願の言葉すら出てこなかった少年が幽霊との出会いをきっかけに成長する。……現実的にありえない話ではないか?それどころかこの作品はとても現実的だ主人公が音楽の世界に飛び込んでいく。ボイトレ、筋トレ、「◯◯」の実践……。身近でありそうな出来事ばかりだし、その気になれば自分もできるかもと思えてくる。出会えてよかった。を何度も噛み締められた。切なさと、共感と、嬉しさという感情で、主人公達の応援をしたくなるし、いつの間にか読んでいて勇気が湧いてくる。一つ一つに意味がある青春の一曲を是非聴いてみては?