評価:★★★★☆ 4.2
『悪魔』に拉致られ、勝手に改造手術を施され、
『野球の神様』との試合に無理やり駆り出された三人の高校生、田中・佐藤・鈴木。試合後、現世に戻された三人に悪魔は言う。
『三年後にまた神と試合やるから。それまで鍛えておけ。
あ、でも、お前ら魔人だから、練習とかしても意味ないぞ』魔人になった三人の身体能力は、絶望と希望を吸収することでしか上昇しない。
『幸い、お前らは高校生。うってつけの舞台がある』
甲子園。高純度の絶望と希望で満ちている大会。
『とりあえず、最低ノルマは五連覇な』
時速1500キロという異常な速度の球も投げられる野球魔人に改造されている三人なら高校生など楽勝でひねりつぶせるが、
『あ、神からの伝言。現世で野球やるのはいいが秩序は乱すな、とさ』
「おいおい、ふざけんな。ワシらの高校、超々進学校やで。万年一回戦どころか、毎年、出場すら危うい、野球に関しては超クソ高校。そこで五連覇? 達成してもうたら、バッチリ秩序が乱れてまう。前提から詰んでんねんけど」
無理難題に挑む事となった三人の魔人。絶対不可能かと思われたその難題。
だが、田中は活路を見出す。「最初から詰んどるゲームをひっくり返す。やったろやないか。ワシをナメんなよ」
彼が導き出した答えは、その優れた頭脳をフルに活用し、『三年間、全試合、一投一打すべて緻密に計算して、完璧に、まぐれで勝っているように魅せる』という事。
「ワシの頭脳ならできる。これはワシにしかできん不可能や。みとけよ、あほんだら」
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
ただの本編から分岐した外伝作品にしてはかなり完成しています。しかも、本編センエースに絡ませる為に作られた作品であるにもかかわらず、登場キャラは田中東志を主人公としてホウマ、ツカムの野球メンバー、ジュリアや古宮麗華 といったヒロイン、と、しっかりと揃っていて、個性豊か、かつ、キャラ一人一人が意思を持っています。また、これだけ短いのに伏線があり次章に繋げられるだけの話の作り込みもとても良いです。更に、野球が分からない素人にも読めるように書かれているのもgood。しかし、これだけの作品が本編センエースに絡ませるための布石に過ぎないというのが何よりも素晴らしい。本編センエースへの絡み方が気になる所です。この作品では、本編で見られなかったような異常天才タナカトウシ性格の一部や、ジュリアのデレ?を見る事ができます。センエース好きなら一度、読む事を勧めます。
先に100回転生するやつ読んでから来たけど、田中トウシってセンが叶わなかったやつやん!!!!まさかここで出てくるとは……自分の中ではあの物語の、世界を作ったのが田中トウシやと思ってたので、読んでるうちは全然きづかなかったけど最後の最後で気付けました!!!野球ものでもここまで面白いものを読めて良かった!!センセイの新作とか続きとか、楽しみにしてます!これからも是非よろしくお願いします!!