評価:★★★★☆ 4
夜間の空襲で、全てを失った普通の人の話。
幼い頃、空襲で生き別れになった家族を避難先で待ち続ける少年の半生記。「いいか。もし、はぐれても探すんじゃない。神殿で落ち合うんだ」
「迷子になっても、家族みんな、水の縁で繋がってるからね」「生きていれば、いつか、どこかで会えるからね」
ぽつんと取り残された明けの明星を見て、あの夜、街を包んだ炎を思い出したが、涸れ果てた涙は戻らなかった。
「すべて ひとしい ひとつの花」の外伝。
半世紀の内乱中から本編の三年前までの話。
話数:全4話
ジャンル:エピック・ファンタジー 仕事もの
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
こちらは、高津央さんが構成する野茨の環シリーズの「すべて ひとしい ひとつの花」のスピンオフ、同作より時系列的には少し前のお話になります。綿密に設定されたハイファンタジーの一幕です。少しだけ憧れたかもしれない人が、自分たちより年を取るのが遅い人種で、きっとその人にとってはいつまでたっても「ぼうや」なのかもしれません。時は流れます。時間は誰にでも平等に与えられるものだけれど、その人の経験する人生やそのスピードはひとりひとり違うから。取り残されたように感じることもあるけれど、「ぼうや」と呼んでくれる人があるとき一言名前で呼んでくれたなら。今までの人生の価値が証明されたような気になるかもしれません。心がふと温まる作品です。