「おかしい、どうしてこうなった?」
村から町に出て数年。
危険なモンスターと戦いながらも生き延び、そこそこ金もたまって成功したと思った頃。
口減らしも兼ねて追い出されるように出てきた(追い出された?)村に戻ったら、何故か幼馴染(女)を買うことになった。
もともと、あまりよい話を聞かない家だったこともあり、売りに出された娘を同情で買い取ることに。
下手にどこぞに売り飛ばされるよりは、自分の目の届くところで面倒をみようなどと思ってしまった。「こんなつもりじゃなかったんだが」
などと思うも、既に遅い。
帰省は追い出した連中に「ざまあみろ」という程度のつもりであったのだが。
「どうしてこうなった?」
そう思うも、悩んでばかりもいられない。
買い取った幼馴染は見事に奴隷となっている。
となれば、生活の面倒をみなくてはならない。
奴隷のご主人様といっても楽が出来るわけではない。
仕事は奴隷にさせることは出来るが、生活の面倒は所有者の責任だ。
これから生活の面倒は買い取った者がみていかねばならない。「あれ、奴隷って維持するのがかなり大変じゃねえの?」
今更ながらにこのことに気づいていきながらも、買い取ってしまった以上責任は果たさねばならない。
欲望のはけ口にしてる場合じゃない。
というか、そんな余裕はどこにもない。
「とにかく仕事をさせないと」
少しは生活費を稼いでもらわないと大変だ。
「これって扶養家族なんじゃないのか?」
実態としてその通りである。
奴隷を囲ったご主人様なんて優雅なものじゃ全然ない。何より、毎日の仕事がある。
自分の食い扶持のためにも、奴隷(として救った幼馴染)を養うためにも、今まで以上に稼がなくちゃならない。
奴隷に働かせて稼ぐなんて、夢のまた夢。
むしろ、奴隷のためにあれこれがんばってる。
「どっちがご主人様なんだよ」そんなぼやきを漏らしつつ、今日も転生先の異世界でがんばっていく。
ようするに、タイトルが粗筋そのものという事だ。
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