評価:★★★★☆ 4.3
小学校、中学校とイジメられていた主人公こと石島立男は、無職童貞、包茎である。
ある日、中学校の卒業アルバムの最終ページに、不可解な手書きの数字を発見してしまう。
そこには、『996879(ダイヤル)』と記されていた。丸文字から察するに女の子が書いた文字だ。
しかしダイヤルとはどういうことか…。市外局番がない! 勇気を出してスマホから発信したところ、
『お客様がおかけになった電話番号は、この並行世界の番号ではありません。オリジナル世界にお繋ぎする場合は1を。終了するには#(シャープ)を押してください』
な、なんだと…。
あとは読んで下さいね♪
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
最初に思ったのは、どうしても設定によりがちになってしまうSF作品であるにもかかわらず、まったく読みづらさを感じないこと。このあたり、作者の巻き爪たろう先生は、読者への配慮にものすごく気を使っているのではないでしょうか。 設定の説明は会話の中で噛み砕いて表現し、地の文はコメディに終始する……また、すごく知的で感心させられる内容にもかかわらず、ギャグをはさむことによって読者の鼻につかないようにする……少し穿った見方かもしれませんが、このあたりのバランスが絶妙であるがゆえに、読みづらさをまったく感じないのだと思います。 もちろん、単純なSFものとして見てもすばらしい! 特に並行世界とオリジナル世界の関係性は、物凄く作り込まれていて、思わず唸ってしまいました。 ここまでコメディとセンスオブワンダーを巧みに融合した作品はないのではないでしょうか。 オススメです! 是非ご一読を!
平行世界… パラレルワールドと呼ばれるそれは物理学の世界でも実在する理論的な可能性が語られている。ただし、多世界解釈において、我々が観測することは不可能であり、その存在の否定も肯定も出来ないというのが今の科学の限界である… いいえ、電話一本で行けます。え? あ、はい…宇宙の誕生… 何もない空間から宇宙の種が生まれ、それが急激にインフレーションを起こし、大爆発。空間は膨張を続け、宇宙が生まれた…いいえ、宇宙は亜羅祇さまの尻から生まれます。あ? う、うん…ダークマター… 銀河団を結びつける重力源とされ、それ自体は不可視の物質であり…いいえ、ダークマターは飲み物です。もう! なんなんだよ! 笑いと独自の宇宙論の合作! 「並行世界のみなさん!オリジナルの世界へようこそ!」独自の世界観に酔いしれろ!