評価:★★★☆☆ 3.2
中世ヨーロッパ風の小さな国々が寄せ集まった世界で、各国の王、皇太子たちは同盟を組み、好戦的な大国と渡り合ってきた。そんな中、レーニア国王女、主人公のピオニア姫は家族を失い「王族の最後の生き残り」として小さな島国を相続する。政治、経済、外交、領民の生活をどうしていけばいいのか。悩みながらもある同盟国の皇太子に恋をしてしまう。
恋の相手、ラドロー皇太子もピオニアとの将来を考え、悩みながらも果敢に行動するが、同盟諸国、敵国の諸事情から簡単には一緒になれない。
同盟諸国内の王族は幼馴染でもあり、友人でもあるが、それぞれに思惑も過去もある。
ふたりは、行き違い、戦争を引き起こし、捕虜になり、レーニア国を追われ、離れ離れになったり、決闘したりと忙しい。
その上、ふたりの思考のベクトルはいつも同じ方向を指しているとは限らない。
国や民を背負う「王族」だからこそ、両想いがすぐさまハッピーエンドにはならないふたりの、レーニア国奪還と幸福追求の物語。*ボーイズラブ要素は、そういう性的指向の登場人物が出てくる、という程度です。
** カクヨムにも投稿しています。
話数:全120話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
アーサー王伝説を彷彿とさせる当作品。最初から最後まで読み通すと味わえる爽快感に、私は「間違いない」と太鼓判を押させていただきます。物語の主軸は小さな島国の小さなお姫様。そして、そのお姫様に恋心を抱く二人の男(ひとりは王様、ひとりは王子様)。恋の問題は領土問題にも発展し、小さな国は戦禍に晒され姫は国を追われてしまう。国家とは、王様とは、民とは何なのか?彼らは一体に何のために存在し、誰のために戦うのか?政治的な疑問を投げかけてくるこの作品には、登場人物たちの個性的な人間味の他にも深くて大きなテーマが練り込まれています。これは、恋を得て国土を失った姫が、故郷を取り戻すまでの物語。どうぞご堪能あれ。