評価:★★★★★ 4.5

 目黒川沿いで三件の死体遺棄事件が発生した。十ヶ月前にできたばかりの目黒川署の管轄内だ。目黒川署が十ヶ月間で処理した事件は、動物の死がいの引き上げや、川へ落とした財布の捜査といった街の自警団でも処理できるようなものばかりだった。十ヶ月目にして初めて事件らしい事件が起こった。
 
 事件を担当する小泉と中森は周辺の聞き込みを始めた。最初の事件発生場所の近くにある日本蕎麦屋の主人月川と、近くの自転車屋で働く香川、そして道路工事の整理誘導をする男が同一人物のように感じる小泉と中森。
 そんなさなか四人目の被害者が出る。四人目の被害者はモデルのジュンカ。四人目を出したことで警察庁本店から応援のベテラン刑事竹田が来る。

 五十五歳の竹田はボロボロのコートを着ている。いかにも現場の刑事という雰囲気だ。
 腹が減ったと言う竹田を小泉と中森は、月川がいる日本蕎麦屋へ連れて行く。もちろん月川が容疑者の一人と話しての上だ。
 日本蕎麦屋へ入って、月川の表情を確認した竹田は絶句した。そこにいたのは自分が三十年前に少年課に配属されていたときに関わった男、螢川雄作だったのだ。

 月川改め螢川雄作は病院で取り違えられて、他人に育てられた男。少年時代に親の都合で何度もの転校を経験した。 様々な条件が重なり、特殊な体になつてしまった。

 川は様々な生き物の生息地になる。やっかいな奴が住んじまったと竹田はぼやく。

※400詰め原稿用紙換算419枚相当


話数:全35話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
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職業・種族
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時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録