評価:★★★★☆ 4
勤労意欲に目覚めた弱体な怪物である粘液体リモスが、その財産と職場を、ひいてはレーゾンデートルを死守するため洞窟の内外で粉骨砕身する異世界の物語です。彼を脅かす勇者御一行、権威主義、仲たがい、罪悪感、金融危機、クーデター、無関心、肉欲、精神疾患等と抗う中で苦悩する姿は、現代に生きる人々にとっての呪いと同質のものかもしれません。
カクヨムでもやってます。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883602714
話数:全112話
ジャンル:アドベンチャー エピック・ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
本作は砂漠の中の宝石である。シェイクスピアを彷彿とさせる物語構成は、悲劇的でも喜劇的でもある。怪物・人物達が自ら生み出したうねりに翻弄される様は、かの偉人の得意分野であった。表現も素晴らしい。ある時は会話文を極力抑え、ある時は会話のみで進める。時折入る演説の充実振りも見事。労働という一面からプロレタリアート文学を連想するのは必然であろう。登場する怪物・人物は固有名詞ではなく特徴で記述される。これにより印象が確かなものとなり、理解の助けとなっている。誤字は多い。また生物学的な観点からは疑問点も多くあるので、本作では舞台装置と割り切ることが肝要である。本作の文学作品としての圧倒的な価値を理解出来る者は少なかろう。小説家になろうのような場がなければ、発表されることもなかったかもしれない。だからこそ、多くの人に読んでもらいたい逸品である。
主人公であるスライム、リモスによる金鉱堀りが全ての始まりとなっています。そして、この金を発端とした怪物たち魔物と、人間による群像劇が物語の中心です。あえて章分けするとダンジョン攻防、勇者による魔王討伐、魔王討伐後の群雄割拠、主人公雄飛のような感じでしょうか、お金が好きで精神が未熟な主人公が気に入った僕はあとの方の物語ほど楽しんで読んでいます。なろうでは珍しいまともな文章を読みたい方にはおすすめです。