評価:☆☆☆☆☆ 0
|鳴島《なりしま》シイカは、高校二年生。
小さい頃から人との触れ合いが苦手だが、自分でもその理由が分からない。
シイカはある日、登校途中に寄った町で|御格子《みごうし》クツナという和服姿の青年と出会う。
彼はケガを負った小鳥の傷を「繭使い」によって治した。
そして、常人には見えないはずの繭使いを見ることのできるシイカに、クツナはある誘いを持ちかける。
クツナと共に繭使いとして働くことになったシイカだが、彼女には同時に、不可解な影が忍び寄ってきていた。彼らを導く運命は、過去から連なり、やがて、今へと至る。
話数:全51話
ジャンル:仕事もの
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
繭使いという不思議な能力を持つミステリアスなイケメン主人公クツナと、アシスタントの内向的な女子高生シイカが織り成す、お仕事ヒューマンストーリー。作者さまは元来ホラーの書き手のようですが、本作はその資質がライト文芸・キャラ文芸の要素と上手く融合されていて、ミステリアスかつサスペンス要素の高いお仕事ものとして趣き深い仕上がりとなっています。四章から五章のクライマックス。繭使いとしての運命に翻弄される彼らの宿命が胸に刺さりました。また個人的には、三章のような世直し連作短編として継続して欲しいなと感じました。闇の中、繭の糸のように繊細な光を紡ぐ作者さまの世界観。とても好みです。また、こういったのを読ませてくださいっつかシリーズ化希望です。秋の夜長にぴったりな、読み応えのある作品です。みなさんもクツナたちの織り成す人間模様に紡がれてみませんか?