評価:★★★★☆ 4
技術の進化は全ての娯楽を過去のものにし、そして多くの希望と絶望を生み出した。
VRMMO――それは俺達の夢の世界のはずだった。
VRMMO――その世界でこそ俺たちクズが輝き、つまらないリアルを忘れることができるはずだった。
VRMMO――俺達はこの世界で英雄になるはずだった。
特別な才能を認めるな。バーチャルにリアルを持ち込むな。ゲームはゲームらしく楽しめ。
この物語は、「Oblivion Online」――通称「乙」に最後の望みをかけた、愚かなガチ勢たちの戦いの記録である。
話数:全50話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
なろうでは見ない風潮の作品だ。主人公はまさにゲームにおける効率厨ガチ勢を体現したような存在であり、1章から2章にかけてガチ勢の振る舞いを事細かくリアルに伝えてくれる。しかし、この作品はどこまでもリアルで凝っている。今、私のレビューを読んでくれている読者も、かつてハマったソシャゲやRPGがあるだろう。しかし、運営によるバランス調整の失敗などでキャラデリを余儀なくさせられたり、ソシャゲならばガチャを引きまくって人権キャラを手に入れなくてはならなかった筈だ。それでも惰性で続けていてもいつかはリアルに流されるように自然と引退してしまう。そんなリアルで楽しく、切ないかつての様々なゲームとの別れを思い出させてくれる物語。追記。ひさびさにあのゲームにログインしたくなったな。職全てに調整が入ってメインアカの忍者が使い物にならなくなったらしいなぁ…ギルメンは元気かなぁ…
最近の『なろう』VRMMOもの小説にしては珍しくゲームらしい小説だ。大会に出られるようなゲーマーって『常に』どうすれば勝てるかと頭を使う効率厨が多い。そんな人達は情報を大事にしてwikiもチェックするし、色々な事も試す。努力で積み重ねたプレイヤースキルがすごい。そこには『運』や『偶然』で入手するレアアイテム、レアスキル、レア職で『まるでチート』なキャラが入り込む余地がない。ゲーム内で努力し頭を使う者のみが勝者となる解りやすい世界がここにある。そんなゲームのガチ勢たちを書いたのがこの小説だ。2章まではゲームの光を、気持ち良い部分にスポットライトが当たっている。3章からはゲームの闇が書かれ始めた←イマココ大抵、この辺りに来ると引退、キャラデリ、惰性、末期からのゲーム自体の終焉って流れが数年のうちにやってくる。さて、この小説はどんな未来を迎えるのだろうか?
MMORPGゲームのガチ勢ってどんな感じなのか。それを描いた物語。プレイヤースキルよりもレベリングの方法や攻略速度。そういったものに焦点を当てた、VRMMOものとしては珍しい作品となっております。ネトゲは遊びじゃない、というタイトル通り、本気でゲームを攻略するキャラクター達が描かれており、リアリティも相まってガチ攻略とはこういうものかと感心するような内容です。文章がとても丁寧で読みやすいので、サクサク読んでいけると思います。VRMMOとか関係なく、ゲームのガチ勢ってどんな感じなの? ということが気になる方はぜひ読んでみてください!